ケトジェニックダイエットの危険性とその対策方法
ケトジェニックダイエットでは、通常の日本人の食事とは大きくかけ離れた食生活になるため健康面や危険性を気にする人が多いです。
結論から言えば、
「生命に直ちに関わるような危険性はないが、健康面での影響は少なからずある」
ということになります。
今回の記事ではケトジェニックダイエットの危険性についてさらに詳細に解説します。
ケトジェニックダイエットの危険性
ケトジェニックダイエットには、今すぐ生命を脅かすような危険性はないですが、健康を害する危険性はあります。
ずらっと一覧で見ると、
- 筋肉低下による老化促進
- 血管系疾患のリスク
- 栄養不足による体の機能不全
- 胃腸の負担増大による様々な症状・疾患
筋肉低下による老化の促進
ケトジェニックダイエットには、筋肉低下による老化促進のリスクがあります。
ケトジェニックダイエットでは、糖質量を全体のカロリーの10%以下にまで抑えるため、足りない部分の糖質は筋肉を分解して得る糖新生が引き起こされます。
その影響で筋肉量は減りやすく、基礎代謝も落ちやすいです。
20代~30代ならば、この影響は軽微かもしれませんが、40代、50代ともなると筋肉量を回復させるのは容易ではありません。
運動量や基礎代謝の低下が続くと、運動不足などによって老化が進みやすくなる可能性があります。
血管系疾患のリスク
ケトジェニックダイエットにおいては、脂質の摂取量がこれまでよりも格段に増えるため、血中の脂質濃度は跳ね上がります。
その影響で、血管系疾患の原因ともなる動脈硬化が起こりやすくなります。
すでに脳梗塞や心筋梗塞などの循環器系の病気を経験したことのある人にとっては、非常にリスクの高いダイエットであり、この場合は死亡するリスクもあるためケトジェニックダイエットは絶対に行わないほうが良いでしょう。
栄養不足による体の機能不全
3つ目の危険性は、体の様々な部位の機能不全です。
身体の機能不全とは多岐にわたりますが、その原因は栄養の偏りによるものです。
例えばごはんやパンなどの炭水化物を摂取すると同時に摂取できていたミネラルが不足することによって、それを必要としていた体の様々な部位や機能がうまく働かなくなる可能性があります。
これについては、どんな症状が出るのか、その人のそれまでの食生活や体質にもよるため、一概に「こういうことが起きる」と断言できません。
ただし明らかにこれまでの食生活と変化があるため、何も問題が起きないと言えないのが実際のところです。
身体に何か異変を感じたら、すぐにケトジェニックダイエットを中止したほうが賢明です。
胃腸の負担増大による様々な症状・疾患
ケトジェニックダイエットにおいては必要カロリーのほとんどを脂質とタンパク質によって補うため、炭水化物や糖質よりも胃腸への負担が高くなります。
その影響で、胃もたれや胃潰瘍のリスクが高まります。
胃もたれに関しては、かなりの確率で引き起こされます。
ケトジェニックダイエットのリスクを下げる対策
ここまでケトジェニックダイエットの危険性を確認してきましたが、やり方によってはその危険性を下げ、比較的安全にダイエットすることが可能です。
ここからはケトジェニックダイエットの危険性を下げるいくつかの効果的な対策をご紹介します。
対策①期間を限定する
ケトジェニックダイエットは高脂質食による様々なリスクがあるため、特に初めて行う人は、期間を限定して行うのが無難です。
体調の変化を毎日観察することはもちろんですが、自分の知らないうちに様々な疾病のリスクが高まっている可能性があります。
特に初めてケトジェニックダイエットを行う場合は、まず1ヵ月限定でトライしてみてはいかがでしょうか。
ケトジェニックダイエットなら一か月でも十分に結果を残すことは可能です。
その代わり、体調に異変を感じたらすぐに中止するようにしましょう。
対策②水分補給を心がける
ケトジェニックダイエット中はこれまで以上に水分補給にこだわりましょう。
脂質の多い食事となるため、血中脂肪が多くなり、血管が詰まりやすくなります。
水分補給をこまめに行うことで、血液の脂質濃度を抑制することができ、血液がどろどろの状態を緩和することができます。
特にケトジェニックダイエット中に運動もやるという方は、水分補給に十分に注意しましょう。
対策③食物繊維の摂取を心がける
タンパク質や脂質中心の食事の場合、腸内環境、特に腸内細菌のバランスが崩れて、下痢を引き起こしたり、逆に便秘気味になりやすくなります。
ケトジェニックダイエットでまったく便に変化がないという人は皆無といえます。
本来通常の食事では炭水化物から食物繊維を摂取できていましたが、糖質カットのために炭水化物を取らなくなると、食物繊維を摂取しにくくなります。
ケトジェニックダイエット中でも、糖質がほとんど含まれていない海藻やキノコを積極的に摂取することにより、食物繊維を補うことができます。
腸内環境を良好に維持するためにも、非常に重要な取り組みです。
対策④軽い有酸素運動をする
ケトジェニック中は血中に遊離脂肪酸が放出され、脂肪が使われやすい状態となっているため、有酸素運動でうまく脂肪を燃やしてあげると、血液のどろどろも解消しやすくなります。
やりすぎは筋肉量の低下を促進してしまうためお勧めしませんが、一日30分程度の軽いウォーキングなら良い効果を見込めます。
時間帯はいつでも構いません。自分が運動しやすい時間に、リラックスして行いましょう。
まとめ
ケトジェニックダイエットの危険性とリスクを軽減する対策をご紹介しました。
ただ実際には、対策を行っても危険性が完全に消えるとは言えません。
何か持病を抱えている人、特に循環器系の病歴がある方は非常にリスクが高いと言えます。
20~30代の健康体の方で、どうしても短期間で痩せたいという方のみケトジェニックはお勧めできます。
どんな方でも危険性はありますので、日々の体調変化を敏感に察知し、健康に最大限に配慮したケトジェニックダイエットを行いましょう。