ダイエットで背中が痛い!・・考えられる5つの原因と3つの対処方法
ダイエット中は食生活や運動の習慣が大きく変化し、それに伴って、様々な不調が起こることもあります。
今回取り上げるのは、ダイエット中の背中の痛みです。ダイエット中に背中の痛みを感じる人は、あまり多くはないですが、一定数います。
今回はダイエット中におこる背中の痛みの原因と対処方法について詳しく解説していきます。
<この記事の参考>
ダイエット中に背中痛が起こる原因
ダイエット中におこる背中痛の原因は、非常に多様なパターンがあります。
自分がどれに該当しているかも確認してみてください。大きくは食事と運動という2つの観点で、背中痛が引き起こされます。
- 運動が原因の背中痛
- 食事が原因の背中痛
ダイエット中の運動が原因の背中痛
まずは運動が原因の背中痛です。
ダイエットしようと意気ごんで突然運動を始めた人におこりやすい背中痛です。運動による背中痛には大きく骨、筋肉、神経由来の3つの痛みに分かれます。また同時に複数の原因に当てはまる人もいるでしょう。
筋肉由来の背中痛
まずは筋肉由来の背中痛ですね。いわゆる筋肉痛です。背筋を使うような運動をしていないと思っていても、身体全体のバランスを保つため、背筋がフル稼働していることがあります。単に歩いたり、走ったりするだけでも、身体を支えるために常に背筋は使われています。
特に運動不足だった人は、身体全体の筋力や柔軟性が低下しているため、比較的大きな筋肉である背筋が身体を支えるために大きな役割を果たしていることがあります。
<無理な運動も背中痛の原因に>
無理な運動も背中痛の原因になります。無理な運動というのは必ずしも激しい運動を指しているわけではなく、無理な体勢で行う運動も含まれます。
例えば単に腹筋運動をするにしても、背中痛を引き起こすことがあります。
腰や背中に集中的に体重がかかることによって、腰や背中を痛めてしまうもありますし、腹筋力が少ない場合は、筋力をカバーするために背筋を強く酷使し、結果として背筋痛になることもあります。
運動を行う際は、鍛えたい個所を意図して鍛えられるように、専用のマットを敷いたり、単に形だけを意識するだけでなく、鍛えたい筋肉を本当に使えているかを確認しつつ丁寧にトレーニングする必要があります。
骨由来の背中痛
2つ目に挙げられるダイエット中の背中痛の原因は、骨が痛むことによっておこる背中痛です。これは運動不足となっている30代を超えた方、特に女性におこりやすい症状です。はっきりと骨にひびが入ったり、折れたりしているわけではなく、いわゆる圧迫骨折といわれる種類の骨折の方が多いでしょう。
運動は骨を新陳代謝させるために重要な効果があり、長期間運動不足だった人に関しては、骨がもろくなっており、唐突に運動を始めると、その運動の影響により骨がじわっと崩れるような圧迫骨折をすることがあります。
神経由来の背中痛
背中痛は神経由来によっても起こります。骨の変化や筋肉の増加などに伴って、背中に張り巡らされている神経が刺激されて、背中の神経痛を引き起こすことがあります。
神経由来の背中痛は、骨や筋肉の変化に二次的なものである場合が多いです。
ダイエット中の食事が原因の背中痛
ダイエット中の背中痛は、食事が原因の場合もあります。
いくつかパターンを見ていきましょう。
- 栄養不足による免疫低下
- 骨の形成に携わる栄養が足りていない
栄養バランスの乱れからくる背中痛
ダイエット中に感じる背中痛は、栄養バランスの乱れが影響している場合もあります。そもそも臓器を動かすための栄養が不足していたり、免疫力が低下することで、内臓がうまく働かなり、その結果として内臓の不調が背中痛として顕在化することがあります。
内臓系の痛みは、腹痛として感じると思っている人が多いと思いますが、背中寄りにある臓器もあるため、内臓の不調が背中に出ることもあるのです。
骨を生成する栄養素が足りてない
これも栄養バランスに関わることですが、脂質制限、糖質制限、単品食べダイエットなどの食事が偏りやすいダイエットを行った結果、骨を生成するのに必要な栄養素が不足する場合があります。骨生成に関わる栄養素が不足することで、骨粗鬆症のような症状を発症して、その結果として、軽度の運動、日常の些細な動きでも骨が折れやすくなる(特に圧迫骨折)場合があります。
ダイエットをしていて、骨に必要な栄養素を意識している人は、限りなく少ないと言っていいでしょう。
痩せるためにはとにかく極端な食事制限をしなければ効果がないと思っている人も多いですが、これが身体を支える骨の生成に影響し、結果として圧迫骨折、その痛みが背中に出るという可能性があるのです。
ダイエット中の背中痛の原因を特定する方法
自分で完璧に背中痛の原因を特定することは難しいですが、大きく分類することは可能です。
普段は痛くないが触ったり負荷がかかると痛い場合
普段はそれほど痛みは強くないが、運動したり負荷がかかった動きをすると痛い場合は、そのほとんどが、筋肉、骨、神経に由来する背中痛だと考えられます。
筋肉痛に関しては何となく皆さん身に覚えのある痛みなので分かりやすいですが、ピキッとした痛みは、骨か神経が背中痛の原因になっている可能性があります。
安静にしている時も背中が痛い場合
運動もしてないし、特に負荷のかかるようなことをしていないのに、常に痛みがある。ずしっと重い感覚、もしくは、背中の一か所に鋭い痛みが継続する場合は、内臓が起因している背中痛の可能性があります。
この場合は、いくら安静にしていても食生活が変化しない限り状況が変わることなく、背中痛が継続する可能性があります。内臓の軽い炎症や不調程度だったものが、状況が悪化して、本格的な疾病に発展してしまうケースもあります。
ダイエット中の背中痛の対処方法
原因、それから原因の大まかな特定方法についてみてきたところで、ここからは対処方法について解説していきます。
背中の経験したことないような痛みは、迅速に病院に言った方が良いですが、我慢できる程度の痛みならば、ここから紹介する対処方法をいくつか試してみて、症状がなくなるかを確認してみましょう。
場合に分けて対処するよりも、すべての可能性を考えたうえで、背中痛の原因になることを徹底的に対処する方法になります。
ダイエット中の背中痛の対処①運動は2~3日中止する
ダイエット中の背中痛の対処方法1つ目は、運動の中止です。これはダイエットに積極的に運動を取り入れている人に該当します。2~3日運動をやめて痛みが治まる場合は、筋肉痛の可能性が高いです。自分では背筋を使っていないと思っている運動も同じです。
ダイエットに運動を取り入れている人は、運動の習慣がなくなってしまうことを心配する人もいると思いますが、症状を見極めるのに必要なので、勇気をもって実行してみましょう。2~3日運動をやめても、その後習慣を復活させれば、ダイエットに与える影響は軽微です。
2~3日運動をやめて痛みがなくなっても、運動を再開するとまた痛み出すという場合は、骨か神経に問題がある場合があります。この場合は、自分で対処しようとせずに、整形外科に行きましょう。
圧迫骨折になっている場合、今後連続的に起こる可能性があるので、早めの対処が必要です。
ダイエット中の背中痛の対処②栄養バランスの見直し
ダイエットのために、脂質制限、糖質制限、単品食べダイエットを行っていて背中痛が起こる場合は、内臓に何らかの不調が起こり、痛みを発症している場合があります。
痛みが強い場合は、内科の診断を早急に受けることをおすすめします。
痛みが気になる時もあるが、何かに集中している時は気にならないという場合であれば、栄養を改善しましょう。
身体を支えるために、あらゆる栄養素が複雑に働いているため、特定された原因がない限り、サプリメントで集中的に改善するなどしても効果がないことがあります。
まずは三大栄養素、
- タンパク質13~20%
- 脂質20~30%
- 炭水化物50~65%
厚生労働省が示す理想的な栄養バランスに戻すことから始めます。
それと合わせて、あらゆる食品から栄養を摂るように心がけましょう。肉、魚、乳製品、豆類、野菜、海藻、キノコ、果物等々、品目にバラエティーを持たせることで、総合的に栄養を補い、極端に不足している栄養素がない状態を作ります。
ダイエットのために最も重要なのは、総摂取カロリーです。脂質制限、糖質制限などは、これまで特定の栄養素が過剰になっていた人の食事の矯正には効果がありますが、基本的には、リスクの高いダイエットであることを認識しておきましょう。目標カロリー以内に収まっているのであれば、特定の栄養素をとらなくしたりする必要は本来ありません。
できるだけバランスを整え、身体を動作させるのに必要な栄養素をとるというのが理想的なダイエットです。
ダイエット中の背中痛の対処③継続する場合は必ず病院に行く
上記対策を1週間程度行っても改善の兆しがみられない場合は、迷わず病院に行きましょう。背中の痛みは、重大な病気に関わっていることも多く、1週間改善しない場合は、ダイエットが背中痛の原因でない可能性もあります。
背中痛を伴う病気・ケガはたくさんあります。
- 骨折
- 胆石症
- 帯状疱疹
- 急性膵炎
- 多発性のう胞腎
- 動脈瘤
- 胃がん
- 脊椎圧迫骨折
- 虚血性心疾患
- 変形性脊椎症
- 腰椎圧迫骨折
- 膀胱がん
- 大動脈解離・解離性大動脈瘤
- 胆のう炎
- 腎盂腎炎
- 食道がん
- 骨粗鬆症
- 膵臓がん
- 気管支炎
問題があってもなくても、一度診断を受けておくことで不安を解消することができます。
背中痛があるけど、本当に大丈夫かなーとぼんやり心配している状態でダイエットしても、取り組みが中途半端になってしまうので、長く続く場合は病院で診てもらうのが一番です。
原因をある程度特定しておけば、対処方法もより明確になり、ダイエットを良い方向に改善していくことができるはずです。
ダイエット中の背中痛の原因と対処方法
いかがでしたか?ダイエット中におこる背中痛は、主に運動もしくは食事によって引き起こされます。
自分で対処可能な場合もありますが、長期間継続する場合は、迷わず病院で診てもらうようにしましょう。
背中の痛みは、大病にもつながる症状でもあるので、放置するのはよくありません。
またダイエット中に背中痛を感じる場合は、自分のダイエットに何らかの問題があるんか再度確認したほうが良いでしょう。
体重が落とせたとしても、慢性的な背中痛になってしまう場合、痩せる痩せない以前に生活すること自体が苦痛になってしまう可能性もあるので、原因は早めに特定してしかるべき対策をとることをおすすめします。