ダイエット中の便秘で体重増加!原因と便秘解消に効果的な対策と食べ物を解説
ダイエットを初めてから便秘になる人は多く、便秘が原因で体重が思うように落ちなかったり、場合によっては体調不良、腹痛の原因になったりすることもあります。
ダイエット中になぜ便秘になってしまうのかには様々な理由がありますが、対処方法は存在します。
今回の記事では、ダイエット中の便秘に悩む方にその原因と、対象方法について解説していきます。
便秘の解消方法と合わせて、便秘解消に効く食べ物などもいくつかご紹介していきます。
ダイエットでなぜ便秘になる?その原因とは
ダイエット中に便秘気味になる人は非常に多いですが、原因は非常にシンプルです。
- 栄養バランスが崩れている
- 腸内環境が悪化している
- 自律神経が乱れている
- 朝食を抜いている
まずはダイエットで便秘になってしまう原因を確認していきましょう。原因別に対処方法が異なりますので、自分がどれに該当してるか確認してみてください。
ダイエットで便秘になる原因①栄養バランスが崩れている
まず一つ目に挙げられるのは、栄養バランスの偏りです。便の量や出方は、そのほとんどが食事の内容に左右されます。便が正常に排出されるためには、食事におけるタンパク質、炭水化物、脂質、食物繊維などのバランスが大きく影響します。
例えば、糖質制限、脂質制限、単品ダイエットなど栄養バランスが偏りやすいダイエットをしている場合は、便の構成要素も偏りが起こり、便が硬くなったり、粘り気が強くなり、その結果として腸内に溜まりやすくなったりします。
できるだけ早く効果的に痩せるために脂質制限や糖質制限、単品食べを行っているはずが、逆に腸内に便が溜まりやすい状態を招いてしまい、体重が思うように落ちないという結果になってしまうことがあります。
極端なダイエットは食物繊維が不足しやすい
食べ物の種類、特定の栄養素を制限するダイエットは往々にして食物繊維不足になる可能性が高まります。特に糖質制限ダイエットや断糖高脂質ダイエットなどを行っている場合、通常は炭水化物から得ていた食物繊維が摂取されなくなることで、便が溜まりやすい状態となってしまうことがあります。
ダイエットで便秘になる原因②腸内環境が悪化している
腸内環境の悪化が、便秘を招いてしまうこともあります。最近の研究で腸内環境が腸の動き自体に影響することが分かってきています。腸内の善玉菌が分泌する酢酸や酪酸、短鎖脂肪酸などが腸内のぜん動運動に働きかけているということなんですね。つまり善玉菌が多いと腸のぜん動運動は高まり、悪玉菌が多いと腸の活動が低下し、便が溜まりやすくなるということです。
最近は、
- 高タンパク質ダイエット
- 断糖高脂質ダイエット
などが流行っていますが、タンパク質と脂質は悪玉菌の主要なエサであり、高タンパク質、高脂質で悪玉菌が増加することにより、便秘を引き起こしてしまうことがあるのです。
ダイエットで便秘になる原因③自律神経の乱れ
自律神経の乱れも便秘になる原因となります。通常の健康的なダイエットをしていて、自律神経が乱れることは稀ですが、例えば、
- 極度の栄養不足
- お腹が空いて眠りが浅い
- ダイエット自体のストレスが大きい
などがある場合は、自律神経が乱れてしまうことがあります。
人間の身体は交感神経、副交感神経で成り立つ自律神経で体の様々な機能をコントロールしており、副交感神経がうまく機能している場合は、腸の動きが活発になります。
交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいっていない場合、ぜん動運動が機能せず、結果として便秘になってしまう原因となるのです。
ダイエットで便秘になる原因④朝食を抜いている
ダイエットのために朝食を抜いている人は、便秘になりやすくなります。朝食に欠食がある人ほど、便秘になりやすいことが女子大生を対象とした調査で明らかになっています。この調査は女子大生が対象ですが、年齢を問わず当てはめることができるでしょう。
排便を促す胃腸のリズムとして「胃・直腸反射」という仕組み上が有ります。胃に食べ物が入ってくることにより、この胃・直腸反射が起こり、胃腸が稼働を開始。
その結果として排便が促されるということです。
朝何も食べない人は、この胃・直腸反射がうまく利用できないため、便秘になりやすくなるということになります。
便秘はダイエットに悪い?便秘のダイエットへの影響とは
便秘があまり良くないことだとは分かるけど、実際にダイエットにどのような影響があるのか、実はあまり分かっていないという人も多いと思いますので、便秘のダイエットへの影響について解説していきます。
便秘のダイエットにおける影響はマイナスしかありません。便秘がダイエットに与える影響は主に2つです。
- 体重減少の鈍化
- 腸内環境が悪くなり体重が落ちにくくなる
ダイエット中の便秘の影響①体重減少の鈍化
まず一つ目に挙げられる影響は体重減少の鈍化です。便の重さそのものによって体重が落ちにくくなるということです。便秘の度合いにもよりますが、軽度の便秘であっても腸内に1キロ程度は便が溜まることがあります。
特に体重が軽め(45~55キロ程度)で、美しい体型を目指してダイエットしている人にとっては、インパクトが大きくなります。
しっかりダイエットしているはずなのに、それに見合った減量になっていないという状況になり、そこからさらなる食事制限や過度な運動をやってしまう人もいるでしょう。
逆に、思ったように体重が落ちないために、ダイエットに挫折してしまう原因ともなります。
ダイエット中の便秘の影響②腸内環境悪化で体重が落ちにくくなる
ダイエットにおける便秘の影響の2つ目は、腸内環境の悪化です。腸内環境が悪化していても、脂肪を減らすことには関係がないのでは?と感じる人もいると思いますが、これは思った以上にダイレクトに影響します。
便がたまり、腸内環境が悪化していくと、ダイエットにおける様々な影響がでます。
- 脂肪蓄積リスクが高まる
- 食欲が乱れる
- 血糖値コントロールが乱れる
脂肪蓄積リスクが高まる
便秘で腸内環境が悪化すると脂肪蓄積リスクが高まります。
腸内環境は悪玉菌と善玉菌のバランスによって左右されますが、腸内環境が悪い悪玉菌の多い状態の場合、過剰に栄養を吸収してしまうことになります。
悪玉菌のエサは、主にタンパク質や脂質など食べ物の中では比較的カロリーの高いものです。悪玉菌が腸内に多い状態が続くと、タンパク質や脂質などからより多くのエネルギーを吸収してしまい、脂肪が蓄積しやすくなるということです。
食欲が乱れる
腸内環境は食欲にも影響します。腸内環境が悪化すると、満腹感に影響を与えるGLP-1やPYYといったホルモンの分泌が悪くなり、満腹感を感じにくい状態となります。
最近ではGLP-1を注射するなどの食欲改善両方があるほどホルモンの影響は大きいです。
血糖値のコントロールが乱れる
腸内環境の悪化は、血糖値のコントロールにも影響することが知られています。ダイエットにおいて血糖値のコントロールは非常に重要であり、栄養吸収に大きく関わってきます。血糖値が乱れると、
- 極度の空腹
- 同じ量を食べているのに脂肪が蓄積しやすい
などのダイエットにおける大きなデメリットを引き起こしいます。
血糖値の乱れは、ダイエットのみならず将来的な健康への影響も懸念されます。
ダイエット中の便秘の解消方法
ここまでの解説で、ダイエット中に便秘が起こる原因と影響を見てきました。ダイエット中の便秘は何一つ良い要素がなく、できるだけ速やかに解消したい問題です。
便秘の解消方法は主に5つです。難しい対策はありませんので、便秘気味だという人は、ぜひとも習慣として取り入れてみてください。
- 食物繊維・乳酸菌を摂取する
- 栄養バランスを見直す
- 適度な運動
- 睡眠リズムを一定に
- 少しでもいいので朝何かを食べる
ダイエット中の便秘の解消方法①食物繊維・乳酸菌を摂取する
まず最も重要なことは腸内環境を回復させることです。腸内環境を回復させるためには、善玉菌を増やすことが大切です。善玉菌を増やすには、そのエサとなる食物繊維を多く摂取しましょう。目標としては一日18~20gです。簡単な目安で言うと、納豆6~7パック分。野菜だけで食物繊維をたくさん取ることは難しいので、豆類や海藻類などで摂取すると目標に達しやすくなります。
また食物繊維と同時に乳酸菌の補給も大切です。乳酸菌は、腸内環境で善玉菌有利の環境を作り出します。
ヨーグルトが最も手っ取り早く、効果的です。ヨーグルトの種類によって乳酸菌の種類もことなり、また腸内環境の違いによって、相性があります。いくつかの種類のヨーグルトを試し、排便が良くなると感じるヨーグルトを選ぶようにしましょう。
ダイエット中の便秘の解消方法②栄養バランスを見直す
最近流行りの高タンパク質ダイエットや、高脂質ダイエットは、悪玉菌を増やしやすいです。もちろん高タンパク質、高脂質にもメリットはありますが、腸内環境が汚れやすいということを理解して、同時に十分な食物繊維の摂取も重要です。
食物繊維の摂取と同時に、栄養バランスを見直すことをおすすめします。
厚生労働省が示す数値では以下の基準が理想といわれています。
- タンパク質13~20%
- 脂質20~30%
- 炭水化物50~65%
高脂質、高タンパク質といっても、このバランスから大きく外れる場合は、便秘のリスクがあることを理解しておきましょう。
ダイエット中の便秘の解消方法③適度な運動
運動することによっても、腸の運動を促し、便秘を解消することができます。運動なら何でもかまいません。自分が続けやすいと思える運動を習慣的に取り入れることで、便を押し流すリズムをサポートできます。
運動は消費カロリーを高める以外にも、
- 血糖値を安定させる
- 血流を良くして脂肪が燃えやすい状態を作る
などのメリットもあります。カロリーにおいては食事の影響がもっとも大きく、それに比べて運動の影響は少ないですが、運動には消費カロリーを高める以外の効果もたくさんありますので、まずは大量にカロリーを消費することを目的とするのではなく、短時間でもよいので習慣として身に着けるようにしましょう。
ダイエット中の便秘の解消方法④睡眠のリズムを一定に
排便をスムーズにするためには、自律神経の安定も重要です。自律神経を安定させるのに効果的なのは睡眠です。睡眠中は副交感神経が優位になり、腸の排便活動を後押しします。自律神経を安定させる意味では、睡眠の長さや質と同時に、一定のリズムで睡眠をとることも大切です。
仕事の都合上、睡眠時間が十分に確保できない人もいるでしょう。その場合は、まずは就寝時間や起床時間を一定にして、リズムをつくる努力をしてみてください。睡眠時間が短くても、交感神経と副交感神経のリズムが安定してくると、腸のリズムも安定してきます。
まずは睡眠のリズムを整えることから始めてみましょう。
ダイエット中の便秘の解消方法⑤朝食を食べる
もともと朝何か食べる習慣のない人でも、最低限、
- お白湯を飲む
- コーヒーを飲む
など何かしら胃の中に入れることによって、胃・直腸反射を利用でき、朝の排便を促すことができます。
朝一番に胃腸を刺激するより、朝の排便のリズムを作り出します。
朝食に関しては、一日の血糖値をコントロールする役割もありますので、炭水化物などの吸収の緩やかな糖質を少しでも摂取することを心がけてみましょう。糖質制限ダイエットや断糖高脂質ダイエットを行っている人でも、朝のうちに糖質を摂取しておく分には脂肪として蓄積される糖質の割合を最小限にすることができるので、少量でもよいので糖質を何か取ることを検討してみてください。
ダイエット中の便秘に効くおすすめの食べ物
すでにいくつかの食べ物がダイエットに効果的という話をしましたが、その他にも便秘に食べ物がありますので、ご紹介します。
- 納豆(発酵食品)
- 乳製品(ヨーグルト)
- 海藻類
- アボカド
- キウイ
便秘に効く食べ物①納豆
納豆には食物繊維が豊富に含まれており、100g当たりの含有量は、通常の葉野菜の5~10倍程度。納豆には善玉菌のエサとなるオリゴ糖も含まれているため、食物繊維とオリゴ糖の効果で、善玉菌を元気にしてくれます。さらには納豆を作るための納豆菌自体にも整腸効果があると言われているので、便秘の人にはうってつけの食べ物になります。
便秘に効く食べもの②乳製品
乳製品、特にヨーグルトには、腸内の善玉菌を助ける様々な種類の乳酸菌が含まれているため、腸内環境を改善し、便秘解消に効果があります。
ヨーグルト以外の乳製品にも、短鎖脂肪酸が含まれているため、これも便秘解消に効果が期待できます。
ヨーグルトはその種類によって、配合されている乳酸菌が異なりますので、いくつか種類を変えながら、自分に合ったヨーグルトを探すのがよいでしょう。
乳製品は、乳製品特有の乳糖というものがあり、代謝能力に差があるので、少しずつ試して自分に適性があるか試せすのがコツです。
便秘に効く食べもの③海藻類
海藻類には、食物繊維が豊富に含まれており、これが便秘解消に効果を発揮します。海藻類には、食物繊維の中でも水溶性食物繊維を豊富に含まれているため、便を柔らかくする効果があります。便が硬くなってしまい便秘になってしまう人におすすめの食材です。
海藻類に関しても、葉野菜などの数十倍の食物繊維を含んでいるので、手軽に豊富な食物繊維を摂取できる食材としておすすめです。
便秘に効く食べもの④キウイ
キウイも便秘解消に非常におすすめです。特にダイエット中に意識してタンパク質を多く摂取している人に効果があります。キウイには、タンパク質を分解する酵素アクチニジンという独自の成分が含まれており、この成分が、腸で硬くなりやすいタンパク質の消化を助けます。
また、キウイにも豊富な食物繊維が含まれていますが、キウイの食物繊維は他の食材に含まれる食物繊維よりも保水性が高く、それだけ便が柔らかくなりやすいという特徴があります。
ダイエット中の便秘の原因・影響・解消方法-まとめ
いかがでしたか?
食事制限をともなうダイエットは、これまでと食生活の環境が大きく変わるため、便秘になってしまう原因が様々あります。ダイエットを機に偏食になってしまうと、高確率で便秘になります。
今回解説したような健全なダイエットを正しく行えば、便秘になるリスクを回避でき、便秘によって体重が減りにくくなるということが起こりにくくなります。
ダイエット中に便秘になってしまった人は、今回の記事をぜひ参考にしてください。