ダイエット中の腹痛7つ原因と6つの適切な対処方法を解説
ダイエットを始めてから腹痛が続いている、もしくは腹痛になることが増えたという人がちらほらいます。
今回の記事では、ダイエット中の腹痛に悩む方にその原因と対策方法を解説していきます。
この記事では、
- ダイエット中の腹痛の原因
- ダイエット中の腹痛の影響
- ダイエット中の腹痛への対処方法
- 腹痛は好転反応ではない
- ダイエットが原因ではない腹痛の可能性も
という内容で、ダイエット中の腹痛に悩む人の問題をできるだけ詳細に明らかにし、解決の糸口を解説していきます。
ダイエット中の腹痛の原因
ダイエット中に腹痛のには、いくつかの原因が考えれますが、大きく
- お腹の上部・胃痛
- お腹の下部・小腸~大腸の痛み
に分けられます。
ダイエット中の胃痛の原因
まず胃痛の原因についてです。ダイエット中の胃痛の原因は主に胃の粘膜が刺激されることによっておこることが多いです。ダイエット中におこる胃痛は、ダイエットそのものが原因というよりも、もともと胃に何らかの炎症をかかえていた可能性があります。
ダイエットを行うことにより空腹の時間が増え、胃液が直接胃の粘膜を刺激することが多くなったということが考えられます。
これまでの不規則な食生活の影響
特にこれまで夜食が多かったり、食事量をあまり気にせず食べてきた、食事のリズムが不安定だったという人は、胃酸の分泌量が増えている傾向にあり、ダイエットを開始してもしばらくは胃酸の分泌量が追いついていません。
その結果として空腹時の過度な胃酸量により胃の粘膜への刺激が強くなるということが考えられます。
ダイエット中の腹痛(お腹の下部)
つづいてお腹の下あたりが痛い、いわゆる腹痛の原因についてです。
ダイエット中の腹痛の原因として主に考えられるのは、
- 腸内環境の悪化
- 水
- ストレス
- ダイエット系加工食品
- 暴飲暴食(チートデイ)
- 生理
です。
ダイエット中の腹痛の原因①腸内環境の悪化
ダイエットが起因して起こる腹痛の原因の一つ目は、腸内環境の悪化です。
特に糖質制限ダイエット、断糖高脂質ダイエット、脂質制限ダイエット、高タンパク質ダイエット、単品ダイエットなど、比較的栄養の偏りやすいダイエットをしている人にありがちな傾向です。
上記に示したようなダイエットを行っている場合、食物繊維量が極端に減ったり、タンパク質や脂質など比較的消化がしにくいものが腸の中に多くなると、腸内環境が悪化し、その結果として下痢や便秘を伴う腹痛になる可能があります。
ダイエット中の腹痛の原因②水
ダイエット中の腹痛の原因2つ目は、水です。水そのものが腹痛を引き起こすというよりも、その種類と飲み方に問題がある場合です。
ダイエット中にたくさん水を飲むことを勧める専門家が多いですが、それが結果的に腹痛の原因になってしまう場合があります。
特に注意したいのが、
- 冷たい水をがぶ飲みすること
- 硬水をたくさん飲むこと
です。
冷たい水を飲むと、内臓の温度が下がりすぎ、胃腸の活動レベルが低下。その結果として腹痛を誘発します。
俗にいう「お腹が冷えている」状態となるため腹痛が発生します。
また水の種類によっても腹痛が起こる可能性があります。日本人の身体は基本的には軟水に適応している身体となっており、マグネシウムやカルシウムの多い硬水をたくさん飲むと、消化・代謝に影響し、腹痛を起こしてしまう可能性があります。
硬水といえば、海外の水を思い浮かべる人もいると思いますが、日本国内の水道水でも地域によって水の硬度は違います。最も多いところと少ないところでは、ミネラル分の量が倍近く違う場合もありますので、気になる人はお住いの地域の水の硬度を調べてみてもよいかもしれません。
ダイエット中の腹痛の原因③ストレス
腹痛はストレスによっても起こります。普段の生活で、全くストレスのない状態では、ダイエットによるストレスはそれほど高くないかもしれませんが、普段からストレスの高い仕事をしている人などが、無理なダイエットによってさらにストレスを抱えると、ストレスが過剰となり、腹痛を引き起こしてしまうことがあります。
ダイエット中の腹痛の原因④ダイエット系加工食品
ダイエット中は、ダイエットサポート系の様々な加工食品を使っている人も多いかと思いますが、これが腹痛の原因になっている可能性もあります。
商品の成分自体が一般的に健康の問題を引き起こすものではなくても、使用する人の食生活や体質に合わない場合は、消化不良を引き起こしたり、腸内環境を悪化させたりする可能性があります。
特にゼロカロリー系の人工甘味料が入った商品などは、腸内環境を悪化させ、下痢や便秘を引き起こす可能性があります。
プロテイン、サプリメント、スムージーなどダイエットの為に何か普段の食事とは違いものを食べていて、腹痛が起こりやすくなったという人は、その商品が腹痛の原因かもしれません。
過剰なチートデイも腹痛の原因に
ダイエットにチートデイを取り入れている人も多いかと思いますが、これも腹痛の原因になりえます。
特に普段、無理な食事制限をしている人がチートデイを実施すると、消化不良を起こして腹痛を誘発してしまいます。
チートデイを勘違いしている人が多いですが、チートデイは暴飲暴食する日ではありません。あくまでも目標カロリーの範疇で栄養バランスよくおいしいものを食べるということを心がけましょう。
ダイエット中の生理前生理中に胃痛が起こる場合も
女性の場合は、生理をきっかけに腹痛になる場合もあります。生理痛は主にプロスタグランジンというホルモンによって子宮が収縮することにより起こるものですが、このプロスタグランジンは、胃腸の収縮にも影響します。
生理をきっかけに胃の粘膜が弱ることで、生理痛のみならず、胃痛、腹痛を起こしてしまうことがあります。
ダイエット中で空腹時間が長くなると、いつもよりも生理痛や腹痛が強くなる可能性があります。
ダイエットにおける腹痛の影響
少々の腹痛なら気にせずダイエットを続けてしまおうという人もいるかと思いますが、あまりおすすめしません。きっちりと対処したほうが効率的なダイエットにつながるでしょう。
胃痛にしろ、お腹の下部の痛みにしろ、身体に良くないことが起こっているのは明白です。
腹痛がひどく、その原因が腸内環境が悪化していることによるものである場合、内臓機能が低下していることによって、内臓脂肪が溜まりやすい状態になっています。
腸内環境の善玉菌量が、内臓脂肪量との相関関係があることが様々な研究で明らかになってしまいます。
胃痛についても同様です。
胃痛が続く場合、胃機能の低下や後続の消化器官の代謝機能への影響が考えられ、脂肪が蓄積しやすい状態になる可能性があります。
またダイエットに関してのみならず、将来的な健康への影響もありますので、早めの対処をおすすめします。
ダイエット中の腹痛の対処方法
それではここからダイエット中の腹痛への対処方法について解説してきます。
ポイントは6つです。腹痛、胃痛どちらへの対処も兼ねておりますので、該当する方は確認していきましょう。
- 食事前にお白湯を飲む
- 食べる時間・量を整える
- 栄養バランスを再考する
- ダイエット系加工食品の中断
- 睡眠時間を十分に確保する
- ダイエット期間・目標の見直し
ダイエット中の腹痛の対処①食前にお白湯を飲む
まず最初にできる簡単な対処方法としては、食前のお白湯です。食前にお白湯を飲むことで、胃腸に食事の準備を指せ、急激に胃酸などが分泌されない状態を作ります。
また、胃酸を中和する意味もありますので、ぜひ習慣として取り入れていきましょう。
食前にお白湯を飲むことにより、食事自体の満腹度も高まりやすくなります。体温を程よく上げてくれる効果もありますので、非常におすすめです。
ダイエット中の腹痛の対処②食べる時間・量を整える
食事のリズムを一定にすることで、胃酸の過剰な分泌を安定させる効果があります。これまで暴飲暴食・食べる時間帯がバラバラだった人には特に効果があります。
食事のリズムを一定に整えることで、血糖値も安定しやすくなり、脂肪も蓄積しにくくなります。
胃の機能のみならず、腸の働きも安定するので、結果として排便のリズムも整い、生活のストレス自体も軽減できます。
ダイエット中の腹痛の対処③栄養バランスを再考する
腹痛の原因には、偏った栄養バランスも影響しているかもしれません。すでに解説した通り、以下のようなダイエットをしている人は、栄養バランスをもう一度見直した方がよいかもしれません。
- 糖質制限ダイエット
- 脂質制限ダイエット
- 断糖高脂質ダイエット
- 高タンパク質ダイエット
- 単品食べダイエット
上記のダイエット方法は、これまで糖質や脂質が過剰だった人に対して効果があるダイエット方法です。糖質や脂質を完全にカットすることはあまりお勧めしません。
脂肪燃焼のプロセスは様々な要素が複雑にかかわっているため、専門知識のないまま実行すると、本来脂肪燃焼のために必要不可欠だった栄養素が欠如して痩せにくくなるという可能性もあります。
栄養バランスは厚生労働省の示す値を参考にしましょう。
- タンパク質13~20%
- 脂質20~30%
- 炭水化物50~65%
三大栄養素と合わせて、食物繊維も18~20gを目指しましょう。三大栄養素のバランスを見直すことで、それと同時に摂取するビタミンやミネラルのバランスも整いやすくなります。
まずは基本が大切です。上記に示したダイエット方法が体に合わない場合、体調不良になるの可能性も高いため、よくダイエットの原理を理解してから実行されることをおすすめします。
ダイエット中の腹痛の対処④ダイエット系加工食品の中断
ダイエットに、サプリメント、プロテイン、スムージー、ゼロカロリー飲料などを利用している人は、それに含まれる成分が影響して腹痛を起こしている可能性があります。
2,3日程度摂取を中断してみましょう。2、3日摂取を中断したからと言って、ダイエットに大きく影響するようなことはないので勇気をもってやめてみましょう。
それで腹痛が解消されるようであれば、その食品の摂取を中断し、栄養バランスを重視したダイエットに切り替えることをおすすめします。
ダイエット中の腹痛の対処⑤睡眠時間を十分に確保する
すでに傷ついた胃の粘膜や、腸機能の回復には睡眠が効果的です。睡眠により胃腸の働きが消化・吸収から、回復・クリーニングに充てられることで、身体の回復を早めて胃腸を正常に戻す効果が期待できます。
睡眠時間を十分に取ることにより、生理によっておこる腹痛の症状も軽減することがあります。
<寝る前はできるだけ食事をしない>
胃腸の負担を軽減する意味で、寝る前はできるだけ食事をしないほうが良いでしょう。何かたべてないと眠れないという人も多いかと思いますが、胃腸をいたわるうえでは、睡眠中の消化吸収活動をできるだけ抑えるに越したことはありません。
睡眠中も胃腸が働き続けると、食べかすなどのごみが消化器に残りやすくなり、腸内環境悪化の原因にもなってしまいます。
睡眠の3時間前に食事を終えるのが理想です。
何か食べないと眠れないという人は、以下3つを試してみましょう。
- お白湯を飲む
- お味噌汁を飲む
- 軽いストレッチをする
満腹感を少しでも高められる効果と、睡眠前にほどよく体温が上がることで、寝付きやすくなり、睡眠の質も向上します。寝る前に徐々に部屋を暗くして、就寝時間が迫っていることを身体に教えてあげるのも効果的です。
ダイエット中の腹痛の対処⑥ダイエット期間と目標の見直し
無理なダイエット目標・期間になっている人は、目標設定と達成期間を見直した方がよいかもしれません。
短期間で痩せようとすればするほど、食生活に無理が生じたり、ダイエットサポート食品を利用する割合が増えます。理想の減量幅は月5%。
月5%でも数カ月無理のないダイエットを続ければ10~15キロ減らせます。ダイエットに特に緊急性がない場合は、焦らず、ダイエットのペースを落とし、栄養バランスを見直したり、適度な運動を取り入れたりと、理想的なダイエットとは何かをもう一度見直すとよいでしょう。
適切な栄養バランスと適度な運動によってダイエットすると、目標到達後も習慣として定着しやすく、その後のリバウンド予防にもつながります。
ダイエット中の腹痛は好転反応ではない
ダイエット中の腹痛をダイエットがうまくいっている好転反応ととらえている人もいますが、これは間違いです。
どちらかといえば、これまでの生活習慣が及ぼしてきたダメージをダイレクトに受けてしまっていると考えた方がよいでしょう。
ダイエット中の腹痛は好転反応ではなく、これまでの生活の代償ととらえて、早めに解決することが、結果としてダイエットにプラスにつながります。
ダイエットによる腹痛ではない可能性も
ここまでダイエットが影響して起こる腹痛の原因と対処方法について、解説してきましたが、必ずしも腹痛の原因がダイエットだけにあるとも限りません。
以下のような場合は、病院で診察を受けるようにしましょう。
- 激しい痛みがある
- 腹痛以外に頭痛、発熱、嘔吐、下痢などの症状
- 血便・吐血がある
- 発汗量が多い
これらの症状に該当する場合は、今回のような対処を実施したとしても、状況が改善しない可能性があります。
迷わず病院で診てもらいましょう。
ダイエット中の腹痛の原因と対処-まとめ
いかがでしたか?
ダイエット中に腹痛になる場合は、ダイエットがうまくいっていないサインとも取れます。
腹痛によって痩せやすくなるなどは絶対にないので、放置せずに、今回解説したような対処方法を実践しましょう。
また腹痛の原因がダイエットでない可能性もありますので、これはおかしいと感じたら、すぐに病院にいきましょう。