ダイエット始めてから下痢が止まらない!下痢が続く原因と対策を解説
ダイエットを始めてから何だか下痢が続いている。体重も思ったほど落ちない・・・。
ダイエット中に下痢をしてしまう人は意外にも多いです。ダイエット初期にすぐに下痢になってしまう人もいます。人にはなかなか言い出せないし、せっかく始めたダイエットを途中でやめることもしたくないですよね。
しかし下痢が続いているのを放置しておくわけにもいかない。
そんな人のため、今回の記事では、ダイエット中に下痢になってしまった人に、その原因と適切な対処法について解説していきます。
ダイエット中になる下痢には原因がありほとんどの場合は対処が可能です。
この記事では、
- ダイエット中に下痢になる原因
- ダイエット中に下痢になった場合の対処方法
- そもそも下痢ってダイエットに良くないの?体重は落ちる気がするけど・・・
- 下痢の原因がダイエットじゃない可能性も探る
という内容で解説していきます。
<この記事の参考>
ダイエットを始めてから下痢が続く原因
まずは原因についてです。
そもそも下痢になってしまうのには大きく4つの原因があります。
- 浸透圧性下痢
- 分泌性下痢
- ぜん動運動性下痢
- 滲出性下痢
それぞれ簡単に説明します。
<浸透圧性下痢>
食べたものが水を引付けやすいものである場合、腸で水分が十分に吸収されずに起こる下痢です。
<分泌性下痢>
細菌やホルモンなどの影響により、腸液の分泌が増えて起こる下痢です。
<ぜん動運動性下痢>
腸が食べ物を送り出す「ぜん動運動」が過剰となり、腸で水分が吸収される前に、肛門まで押し出されてしまうことによっておこる下痢です。過敏性腸症候群などによっておこります。
<滲出(しんしゅつ)性下痢>
腸に炎症により、血液成分や細胞液などが滲み出て、おこる下痢です。クローン病や潰瘍性大腸炎などによっておこります。
下痢には主に4種類の下痢がありますが、ダイエットによっておこる下痢は主に、
- 浸透圧性下痢
- 分泌性下痢
の2種類どちらかになります。そしてほとんどの方が、浸透圧性下痢に該当すると考えられます。
ダイエットによる下痢の原因は?
それではここからダイエットにおける下痢の原因について解説していきます。ダイエット中におこる下痢の主な原因は以下3つが考えられます。
- 栄養不足・過多で起こる下痢
- 食品や食材による下痢
- ストレスで起こる下痢
ダイエットの下痢の原因①栄養不足・過多
ダイエット中に下痢をする人で最も多くの人に該当する原因は、栄養不足です。
栄養不足・過多で下痢が起こると言っても、いくつか原因があります。
<食物繊維不足>
まず一つ目に挙げられるのは食物繊維不足です。食物繊維不足は糖質制限、炭水化物制限をしている人に起こりやすい症状です。食物繊維が不足すると、腸内の善玉菌のエサがなくなり、腸内環境が悪化しやすく、結果的に下痢などの症状を引き起こしてしまいます。
ほとんどの日本人は穀物類(米や豆)から食物繊維を摂取しています。
穀物類は、食物繊維と同時に糖質を含んでおり、糖質制限、炭水化物制限をすると必然的に穀物類の摂取量が減ります。
過剰になっている糖質類を制限する分には、ダイエットに効果的ですが、それと同時に食物繊維が不足してしまうと、下痢の症状が起こりやすくなります。
<中鎖脂肪酸・短鎖脂肪酸の不足>
ダイエットによって乳製品の摂取などがなくなってしまうと、これも下痢を引き起こす原因となってしまいます。
乳製品には、他の食材にはほとんど含まれない中鎖脂肪酸、短鎖脂肪酸が豊富に含まれており、これらは腸内環境を整える効果があります。
これまで乳製品を摂取していた人が、ダイエットをきっかけに乳製品をとらなくなってしまうと、腸内環境が崩れ下痢を引き起こしてしまう可能性があります。
乳製品に関しては消化が苦手な人もいますので、摂取過多によっても下痢を引き起こしてしまうことがあり得ます。
<脂質過剰>
最近では、脂質をたくさん摂取して痩せる断糖高脂質食というのが注目を浴びていますよね。脂肪分解酵素リパーゼが正常に働いている場合は、ある程度高脂質の食事でも分解に問題ありませんが、脂肪分解があまり得意でない人が高脂質食を続けた場合、下痢を起こす可能性があります。
ダイエットの下痢の原因②食品や食材による下痢
つづいて特定の食品や食材による下痢です。すでに乳製品などの摂取不足・摂取過多によって下痢が起こる可能性について解説しましたが、他にもダイエット中にげりを起こしうるものがあります。
<ダイエット系サプリメント>
ダイエットに良いとされるサプリメントはたくさんあり、利用している人も多いですが、これが下痢の原因になっていることもあります。ダイエットサプリメントの中には自然由来の成分だけを含んでいるものもありますが、人工的に合成された化学成分などを多く含んでいる場合もあります。
日本で販売されているサプリメントについては、摂取量を守っていれば身体のないよう調整されていることがほとんどですが、個別の体質などは考慮されていません。
痩せる!安全!といわれているサプリメントでも、身体に合わない場合は下痢の原因となることがあります。
<プロテイン>
ダイエットにプロテインを服用されている方も多いですが、プロテインも下痢の原因になりえます。プロテインにはたんぱく質だけでなく、筋肉がつきやすいように調合された様々な成分が含まれています。ダイエットサプリメント同様に健康被害の出ない範囲で調合されているのが基本ですが、摂取過多の場合は、健康的に害を及ぼす可能性があります。
タンパク質だけならよいのかという問題ではなく、タンパク質が多くなりすぎても、腸内環境が悪化し、結果として下痢や便秘などの原因になったりすることもあります。
<人工甘味料>
人工甘味料を大量に摂取することで下痢の症状が起きることがあります。人工甘味料を意識的に摂取している人は少ないと思いますが、現代ではあらゆる加工食品に人工甘味料が使用されています。
ダイエットしている人が気を付けなければいけないのは、ゼロカロリー系の加工食品です。特にジュースですね。
最近では、ゼロカロリーで甘みのあるサイダーなどがたくさん販売されています。これらのゼロカロリーの飲み物は甘味料として、少量でも甘みを感じることができる人工甘味料が含まれており、確かにゼロカロリーですが、飲み過ぎると下痢を引き起こす原因ともなります。
ゼロカロリーだからと言ってたくさん飲んでいる人もいると思いますが、それが下痢の原因となっている可能性を疑いましょう。
<人工甘味料は糖代謝を狂わせる可能性>
人工甘味料は、下痢の原因となるだけでなく、糖質の代謝を狂わせる可能性が指摘されています。強い甘みを持つことで、糖の感度を狂わせて、結果的に通常の糖質の代謝異常を引き起こしてしまう可能性が懸念されています。
ゼロカロリー飲料を全く飲んではいけないということではありませんが、ゼロカロリーだからと言って飲み過ぎると様々な弊害があるということを認識しておくべきでしょう。
<すべての食品に下痢の可能性>
極端な話、すべての食品・食材に下痢を引き起こす可能性があります。特に単品ダイエットなどある特定のものだけを食べるダイエットは腸内環境を悪化させやすいです。
どんな栄養素でも不足したり、過剰になったりすると、その結果として、身体の健康を維持するサイクルが崩れ、その症状の一部が下痢として現れることがあるということです。
ダイエットの下痢の原因③ストレスによる下痢
ダイエット中過度な食事制限、運動などによって知らず知らずのうちにストレスが溜まり、結果として下痢を引き起こしてしまう可能性があります。
ストレスが強くなると自律神経が乱れやすく、腸のぜん動運動にも影響を及ぼす可能性があります。
腸の運動は自律神経の動きによって調整されているからです。
ダイエットを初めてから寝付きにくくなった、常に空腹感が続いて辛いという人は、ストレスによって下痢が起こっている可能性を疑いましょう。
水の飲みすぎが直接の原因になることはないが・・・
ダイエットの為に水をたくさん飲むようにしてから下痢になったという人もいますが、これは本質的には水が原因で下痢を起こしているわけではありません。
腸内環境が正常の状態では、水は正しく腸にて吸収され、尿として排せつされます。
水を飲んで下痢を起こしていると感じる人は、以下の原因が考えれます。
- 冷たい水をがぶ飲みしている
- 硬水をたくさん飲んでいる
水自体が下痢を引き起こすことはありませんが、冷たい水を大量に飲むと、腸の温度が下がり、機能低下を引き起こし、結果として下痢になる場合があります。
水を飲むこと自体は身体に好影響の場合が多いので、飲む方を工夫するようにします。対策にて詳しく解説します。
ダイエット中にの下痢の対策
原因について確認したところで、つづいて対策を確認していきましょう。上記どの原因に当てはまっているかに関わらず、下記4つの対策を行えば、ダイエットによる下痢の症状が改善される可能性があります。対策方法はいたってシンプルです。
- 栄養バランスを見直す
- サプリやプロテインの摂取を中断する
- 水分補給を見直す
- ダイエットの期間・目標体重を見直す
ダイエット中の下痢の対策①栄養バランスを見直す
まずは栄養バランスを見直しましょう。特に糖質制限、脂質制限、単品ダイエットを行っている人は現状の栄養バランスに大きな偏りがある可能性があります。
栄養バランスの基本は厚生労働省が示す値を基本としましょう。
- タンパク質:13~20%
- 脂質:20~30%
- 炭水化物:50~65%
- 食物繊維:18~20g
脂質は1g=9kcal、炭水化物、タンパク質は1g=4kcalで計算します。目標とするカロリーに対して割合を掛け合わせます。
例えば、一日の摂取カロリー目標を1500kcalとしているひとなら次のようになります。
- タンパク質:48.75~75g
- 脂質:33.33~50g
- 炭水化物:187.5~243.75g
それぞれ
- 1500×(0.13~0.2)/4 = タンパク質量
- 1500×(0.2~0.3)/9=脂質量
- 1500×(0.5~0.65)/4=炭水化物量
で計算できます。
プラスして適度な乳製品も摂取するようにしましょう。腸内環境を整える意味ではヨーグルトがベストです。
ただヨーグルトの乳酸菌にも相性がありますので、色々試しながら、自分と合ったものを選ぶというのが正しい選び方になります。
糖質をこんなにとってダイエットできるの?
糖質制限ダイエットを行っている人は、糖質を過剰に敬遠していますが、上記の基準の範囲であるならば、問題ありません。糖質を制限すると確かに体重は落ちやすいですが、このほとんどは水分量の変化によるもので、脂肪はほとんど落ちていません。
今まで糖質制限ダイエットに成功したことがあるという人は、この点を勘違いしている可能性があります。脂肪は簡単に落ちませんが、簡単にもつきません。栄養バランスを保ってしっかりと目標カロリーを守り、徐々に体重を落としていくのが理想的なダイエットです。
ダイエット中の下痢の対策②サプリやプロテインを中断する
ダイエットのためにサプリやプロテインなどのいわゆるダイエットサポート系食品を飲んでいて下痢の症状があるという人は、一旦それらの食品の摂取を中断しましょう。
成分的には問題がなくても、あなたの身体との相性が悪い可能性があります。基本的にはサプリやプロテインで摂取できるものは全て通常の食品からも摂取可能です。
本来ダイエットにおいて特別なサプリやプロテインは必要ありません。あえて栄養素を身体の中に入れ込むよりも、適切なカロリー制限をした方が格段に早く、健康的に痩せられる可能性があります。
サプリやプロテインはあくまでもサポートだということを認識しておきましょう。
ダイエット中の下痢の対策③水分補給を見直す
原因でも解説したように、水を飲むこと自体が下痢の原因になることはありません。しかし水の飲み方、種類に問題がある場合があります。
ダイエットのために水をたくさん飲んでいる人は、以下の点を意識しましょう。
- 冷たい水はゆっくり飲む
- 水の成分に気を付ける
<水の温度>
ダイエット中に冷たい水を飲んではいけないというわけではありません。冷たい水を飲むにしても、のどの渇きに任せて一気にがぶ飲みすることなく、少しずつ噛むようにして飲むようにしましょう。口の中で水を温めてあげることによって、内臓の温度が下がりすぎることを防ぎます。
<水の硬度>
また水を飲む際は成分にも注意しましょう。特に硬水には注意が必要です。海外を原産地としたミネラルウォーターには硬水の水もたくさんあります。硬水にはマグネシウムが多く含まれているため、日本人の腸に合わず下痢を引き起こしてしまうことがあります。
また日本国内の水でも、地域によって水の硬度はことなります。例えば沖縄県や千葉県は比較的硬度が高く、山形県や愛知県などは低いとされています。
もし水をたくさん飲むようにしてから下痢気味になっているという人は、水の量よりも飲み方、種類を確認してみることをおすすめします。
ダイエット中の下痢の対策④ダイエット期間・目標を見直す
これは①②ともつながる要素ですが、ダイエットの目標体重や達成までの期間が無理したものになっていると、それが原因で過剰な食事制限や無駄なダイエットサポート系食品の利用につながってしまいます。
理想的な減量幅は月5%です。
例えば、体重65キロの女性が55キロを目指す場合、3ヶ月かけて体重を落とすのが理想的なダイエットスピードとなります。個人的な様々な事情があってどうしても短期間で痩せなければならない場合は致し方ないですが、特に事情がなく、できるだけ短期間で痩せたい!と思っている人は、いったん落ちつきましょう。
無理な目標設定が、栄養バランスを崩し、結果的に下痢などの不健康の原因にもなっているので、目標の見直しをおすすめします。
そもそも下痢ってダイエットに良くないの?
ここまで、「下痢がダイエットに良くないもの」という前提で解説してきましたが、そもそも下痢ってダイエットに良くないものなのか?という疑問を持ってらっしゃる人もいると思いますので、その点も解説していきます。
結論から言えば、下痢はダイエットにおいてマイナスの症状です。
ダイエッターの中には
- 下痢はダイエットの好転反応かもしれない
- 痩せるために下痢になりたい
という人もいますが、これは間違いです。
基本的には、下痢は腸内環境の異常によって生じる「不健康な状態」であることに変わりはないので、ダイエットには確実にマイナスです。
あえて激辛のものを食べて下痢を誘発し痩せようとしている人がいますが、これは逆に太りにいっていると言っても過言ではありません。
腸内環境と内臓脂肪の関係性
腸内環境と脂肪の関係については様々な研究がされていますが、代表的なのは内臓脂肪と腸内環境の関係です。
花王が2019年に公開したデータで、腸内の最優勢菌の一つであるブラウティア菌の量が多いほど、内臓脂肪が少なくなるということが明らかになっています。
ブラウティア菌は、体内で肥満を解消するはたらきがある酪酸や酢酸をつくりだす善玉菌の一つです。
下痢は何らかの原因によって、腸内環境が悪くなっている症状の一つなので、下痢だということはすなわち、内臓脂肪が蓄積しやすく肥満になりやすいと考えることもできます。
下痢だとたくさん便がでていて体重が落ちやすいと感じる人もいますが、これは水の量によるものでありダイエットになっていません。体重は落ちていても見た目の変化を感じとることはできないでしょう。下痢のダイエット効果というものは存在しないので、間違った情報に注意しましょう。
下痢の原因がダイエットじゃない可能性も
ダイエット中に下痢になってしまった場合の原因と対策については以上ですが、下痢の症状がある場合、ダイエットが原因でない場合もあります。
- 激しい痛みを伴う
- 便に血が混ざっている
- 下痢以外に吐き気や熱などの症状がある
- 同じものを食べた人も下痢になった
- 症状がどんどん悪化している
- 脱水症状がある
これらに該当する人は、ダイエットが下痢の原因でなく、何らかの疾病や食中毒などの疑いがあります。
病院に行って相談しましょう。
ダイエット中の下痢の原因と対策-まとめ
いかがでしたか?
ダイエット中に下痢になる人は意外と多く、その原因のほとんどは、栄養不足・バランスの乱れ・栄養過多、身体に合わない栄養素や成分を摂取していることです。
往々にして無理なダイエットが原因となって、下痢の症状を引き起こします。
また間違っても、下痢がダイエットに良いなどと勘違いしないようにしましょう。下痢症状がある場合は、水面下で内臓脂肪が蓄積しやすい状態になっている可能性が示唆されます。
ダイエットはあくまでも健康な体を手に入れる手段であり、健康第一で進めて初めて成立するものです。
ダイエットをしていて下痢になってしまったという人は、今回の記事をぜひ参考にしてください。