カロリー制限をどのくらいすればダイエットに成功する?男女別の計算方法や目安を解説
ダイエットするためには、食事制限をしなければいけないことは分かるけど、実際どのくらいカロリー制限をすればいいのか分からないという人に、今回の記事ではダイエットでのカロリー制限の方法と目安を解説します。
ダイエット初期にカロリー制限の方法が間違っていると、まったく痩せなかったり、場合によっては体調不良の原因となりますので、カロリー制限をどれくらいやればいいのかを本記事でしっかりと理解しておきましょう。
この記事は、
- カロリー制限の基本
- どのくらいカロリー制限をすれば痩せるか
- 目標体重・期間ごとのカロリー制限量
- 栄養バランスを整える
- 運動で消費カロリーを高める
- カロリー制限をしているのに痩せない場合は
- カロリー制限の3つのコツ
という内容で、カロリー制限について網羅的に解説していきます。
ダイエットでのカロリー制限の基本
まずカロリー制限をやるうえで、もっとも根本的ななぜカロリー制限が必要なのかを理解しておきましょう。
ダイエットの原理は、
摂取カロリーと消費カロリーのバランスによって成り立っています。摂取カロリーの方が多ければ太っていき、消費カロリーの方が大きければ痩せていきます。
様々なダイエット食品や効果的な運動、毎日のように新しいダイエット方法、ダイエット本が出てきますが、この基本は変わりません。
栄養バランス、栄養素を気にすることによって、多少痩せやすくなることはあっても、基本的に摂取カロリーと消費カロリーのバランスを覆すほどの影響はありません。
摂取カロリーと消費カロリーのバランスがダイエットにおいて最重要であり、99%この原理原則に基づいて、ダイエットの成功と失敗が分かれると言っても過言ではありません。
カロリー制限は、この「摂取カロリーと消費カロリーのバランス」を変えるために行うものであり、摂取カロリーを減らすために行います。
どのくらいカロリー制限をすれば痩せるのか
では、どのくらいカロリー制限を痩せるのかという点についてです。
結論としては、消費カロリーを下回る摂取カロリーに抑える程度です。
どの程度のカロリー制限をすればよいのかを知るためには、まずどの程度の消費カロリーがあるのかを知る必要があるということです。
現実的に一日の総消費カロリーを計測することは難しいので、年齢や体重別に分かる総消費カロリーTDEEを数値上で把握しましょう。
TDEE一日の総消費カロリーは、一日の基礎代謝量に、活動量を掛け算して算出します。
<基礎代謝の計測方法>
- 男性: 13.397 × 体重kg + 4.799 x 身長cm - 5.677 × 年齢 + 88.362
- 女性: 9.247 × 体重kg + 3.098 x 身長cm - 4.33 × 年齢 + 447.593
男性は女性に比べて筋肉量が多い傾向にあるので、仮に同じ体重、同じ身長、同じ年齢でも、一日の基礎代謝は男性の方が多くなる傾向にあります。
また同じ体重でも、身長や年齢が異なれば基礎代謝は変わってきます。
<TDEEの計算方法>
上記の計算式で、基礎代謝が分かったら、続いて一日の活動量に合わせて、総消費カロリーを算出します。
- ほぼ運動しない (基礎代謝 × 1.2)
- 軽い運動 (基礎代謝 × 1.375)
- 中程度の運動 (基礎代謝 × 1.55)
- 激しい運動 (基礎代謝 × 1.725)
- 非常に激しい (基礎代謝 × 1.9)
係数の考え方は以下のようにするとだいたいの目安になります。
- 学生:軽い運動~中程度の運動
- 社会人デスクワーク:ほぼ運動しない~軽い運動
- 社会人外回り:軽い運動~中程度の運動
- 主婦:軽い運動
例えば、30歳女性、身長160cm、体重65キロの女性の基礎代謝は、1414kcal。リモートワークでほとんど運動しない場合は、総消費カロリーが1697kcalとなります。
手っ取り早く自動計算したい人は以下のサイトをご利用ください。
つまり上記に示した女性の例でいうと、一日の摂取カロリーを1697kcal以下にすれば痩せていくということになります。
目標体重と期間によって変わる一日の摂取カロリー目安
どのくらいカロリー制限をすればよいのかの基本的な考え方は以上ですが、人によって目標体重や達成したい期間が異なるため、ここからさらに個別の目標に向けて、計算していきます。
脂肪1キロ=7200kcalなので、摂取カロリーが消費カロリーを下回り、その合計が7200kcalとなった時、脂肪が1キロ減るということになります。
先ほどの女性の例で言えば、一日の総消費カロリーが、およそ1700kcal。仮にこの女性が一日の摂取カロリーを1500kcalに抑えた場合、一日-200kcalになります。
1キロの脂肪を減らす場合は、
7200kcal÷-200kcal=36となり、脂肪1キロ減らすために、およそ36日かかるということになります。
実際には、脂肪以外にも余分な水分や老廃物が抜けることにより1キロ以上体重は減りますが、脂肪だけので見ると、およそ上記のようになります。
期間と目標体重からカロリー制限量を計算する
期間と目標体重、それから上記で計算したTDEEが分かっていれば、以下の式で一日に制限すべきカロリー量が分かります。
一日のカロリー制限量
=減らしたい体重(kg)× 7200(kcal)÷目標日数
例えば、1ヶ月で65キロ(身長160cm)の女性が今よりも体重を5キロ減らしたい場合は、
5kg×7200÷30日=1200kcal
ということになり。一日1200kcalのカロリー制限をすれば、1ヶ月後に体重が5キロ減るということになります。
ただこの例では、そもそもの総消費カロリーが1700kcal程度しかないため、一日の摂取カロリーを1200すると一日の食事量はおよそ500kcal程度となり、かなり苦しいダイエットとなることが分かります。
65キロの女性が1ヶ月で5キロもの体重を減らすことは非常に難しいということですね。
ダイエット中であっても、一日1000kcalは食事を摂取したいところです。例えばギリギリを狙うにしても、この女性の場合一日700kcalのカロリー制限を行うのが限界です。
一日700kcalのカロリー制限をすると、
700×30日=21000kcalとなり、1ヶ月でおよそ3キロ程度のダイエットになるということが分かります。
カロリー制限は無理のない範囲で行う
上記のように、目標期間と体重が分かっていれば、一日どのくらいカロリー制限をすれば痩せられるのかが分かります。
ただし、短期間で大きく体重を減らそうとすると無理なダイエットになってしまいます。目安としては最低でも一日の摂取カロリーーが1000kcalを下回らないようにすることです。
いくつかパターンに分けて計算してみて、これなら無理なく続けられると感じるカロリー制限量を探り当てましょう。
栄養バランスを整える
目標とする一日のカロリー制限量が分かったら、つづいて栄養バランスを調整します。
先ほどの女性の例で、現状体重が65キロの女性が1ヶ月で3キロの減量を目指した場合、一日の摂取目標カロリーはおよそ1000kcalとなります。
極端な話、これを全て脂質だけ、または糖質だけで摂取してしまうと、必ず体調がおかしくなります。
目標とするカロリーを把握したうえで、栄養バランスを気にすることは非常に大切です。
栄養バランスの基本は三大栄養素から
まずは身体を動かすうえでの基本的な栄養素、脂質、糖質(炭水化物)、タンパク質のバランスを整えましょう。
栄養バランスは厚生労働省が公表している、理想的な栄養バランスに合わせればOKです。人によって脂質で太りやすい人、糖質で太りやすい人がいるのは事実ですが、まずはバランスのベースを整えることが重要です。
厚生労働省が定める理想的な栄養バランスは以下の通りです。
- タンパク質:13~20%
- 脂質:20~30%
- 炭水化物(糖質):50~65%
炭水化物は、食物繊維と糖質で成り立っているので、糖質=炭水化物と考えてOKです。
先ほどの女性の例でいうと、一日の目標摂取カロリーは1000kcalなので、一日の栄養バランスは以下のようになります。
- タンパク質:32~50g
- 脂質:22~33g
- 炭水化物:125~162g
※タンパク質、炭水化物1g=4kcal
脂質1g=9kcal
この例を実際の食品に置き換えると、
- タンパク質:卵4~6個分
- 脂質:サラダ油大さじ2~3杯
- 炭水化物:ご飯1~2膳
という感じになります。
ダイエットで栄養バランスは超重要
上記のように三大栄養素のバランスを整えれば、その他のビタミンやミネラルのバランスも整いやすくなります。
ダイエットにおいて栄養バランスを考慮することは、体調不良を予防するという意味もありますが、実際の痩せやすさにも関連していきます。
脂肪を燃焼する身体のサイクルには、様々な栄養素が関わっており、ビタミンやミネラルも重要な役割を果たしています。
栄養バランスが偏っていると、脂肪燃焼サイクルに必要な栄養素が不足してしまう可能性があり、食事制限をしているわりに痩せない、運動しているのになぜか痩せていかないということが起こりえます。
もちろん冒頭言った通り、カロリーバランスがダイエットの基本となりますが、より楽に、自然に痩せるためには、栄養バランスへの考慮が必須となります。
脂質や糖質はどっちを制限すればよい?
ダイエットの情報をさまざま見ていると、糖質制限や脂質制限という言葉を目にすると思います。体に詳しいパーソナルトレーナーや医者など比較的ダイエットに専門的な知識があると言われる人たちでも、意見が分かれているのが実際のところです。
専門家の意見が違うので、いったいどうすればよいの?と分からなくなってしまう人も多いですね。
結論から言うと、まずは糖質制限や脂質制限といった極端な考え方は一度忘れたほうがよいでしょう。
食生活は様々であり、糖質が多すぎる人は、糖質制限をしなければなりませんし、脂質過多の人は、脂質制限をしなければなりません。一概に糖質制限が痩せる、脂質制限が痩せるというのは間違いのもとです。
まずは上で解説したように、正しい栄養バランスと比較して自分の食生活はどうなっているかを確認してみましょう。
カロリーと栄養素を比較するのは間違い
人によっては、カロリー制限をした方がいいのか、脂質制限をした方がいいのか、または糖質制限をした方がいいのかとカロリーと栄養素を横並びに考えてしまっている人もいます。しかし、この考え方は間違いです。
いくらカロリー制限をしていても、糖質や脂質を全く気にしないダイエットは破綻します。
逆に糖質や脂質どちらかをカットしていても、トータルのカロリーが基準量をオーバーしていれば太ります。
適切なカロリー量に抑えたうえで、栄養バランスを調整するというのが正しい順番です。
運動でカロリー消費量を上げる
ここまでの解説では、主に摂取カロリーの調整方法・栄養バランスについて解説してきましたが、もう一つカロリーバランスを調整する上では、運動をするという選択肢もあります。
ただし運動に頼りすぎると、ダイエットが苦しくなってしまうので、あまり比率を高めないことをおすすめします。
運動中心のダイエットは苦しい
カロリー計算上では、摂取カロリーを減らす、もしくは消費カロリーを上げることによって痩せていくことができますが、実際の行動ベースで比較してみると大きな差があります。
例えば65キロの女性が一日200kcalのカロリー制限を目指した場合、
- 食事:ご飯1膳減らす
- 運動:25~30分のランニング
どちらでも200kcal程度の制限をすることと同じ意味になります。
しかし、一日の食事トータルで毎日ご飯1膳減らすことと、毎日欠かさず25~30分のランニングをすることとどちらが続けやすいでしょうか。
ランニングを毎日やりたい!という人もいるとは思いますが、確実に食事制限をした方が楽に200kcal減らせるはずです。一日だけではなく、1ヶ月、2ヶ月とダイエット期間が延びるほど毎日運動を続けることは難しくなっていきます。
上記のことから、あくまでもダイエットは食事によるカロリー制限を主体として、運動は気持ちよく続けられる程度に実施するのが続けやすいでしょう。
運動は無意味ではない
少しダイエットの知識をかじった人で、食事の影響が大きい、運動は無意味ととらえる人がいますが、この解釈も間違いです。
たしかにダイエットにおいては、運動よりも食事の影響が大きいですが、運動が無意味かといえばそうではありません。
運動には消費カロリーを上げる以外にも、
- 代謝が高い状態を保つ
- 血糖値を安定させる
- 毛細血管を発達させる
など、消費カロリーを高める以外の効果も多いです。
血糖値が安定すれば、栄養の吸収が緩やかになり、その分、脂肪が蓄積しにくくなりますし、毛細血管が発達することにより、脂肪分解に必須のアドレナリン・ノルアドレナリン・成長ホルモンが脂肪細胞に運ばれやすくなり、効率的に脂肪を燃焼することができます。
ダイエットにおける運動は、消費カロリーを意識しすぎず、習慣化して、上記のメリットを得るというのが大切になってきます。
一日10分程度でもよいので、まずは習慣化を目指しましょう。
カロリー制限をしているのに痩せない場合
基本的にここまでの解説をしっかり実践した人は、自分の決めた目標体重を期間内に達成することができます。
ただし、思うように体重が減らない人がいるのも事実です。
今回示したカロリー制限の計算方法はあくまでも平均的な体質の方に対応した内容となっています。
人によって、
- 脂肪の蓄積のしやすさ
- 腸内環境
- 毛細血管量
- 筋肉量
- 身体の柔軟性
- 平均体温
- 生活のリズム
等々違いがあり、これらの差異によって同じ摂取カロリー・消費カロリーでも痩せていく人と、痩せない人がいます。
例えば大食いタレントとして有名なギャル曽根さんは、一日10000~20000kcal食事をすると言われています。普通の体質の人なら体重は200キロを超えている食事量です。
しかし、彼女は痩せています。
ギャル曽根さんは、極端な例ですが、人によって体質が異なるので、その点は微調整する必要があるということです。
今回解説したカロリー量をしっかり守っているのに痩せないという人は、
- 消費カロリーを増やす(運動を増やす)
- 食事量を100kcalほどさらに減らしてみる
- 睡眠時間を十分に確保する
- 野菜を多めに食べる
など細かい点を気にしてみましょう。試行錯誤していく中で、かならず体重が落ち始めるポイントがあるはずです。
多くの人は、今回の解説通りにやれば体重を減らすことができますが、減らないという人は、少し試行錯誤が必要です。
カロリー制限中にお菓子を食べてもいいのか
カロリー制限中でもお菓子を食べても問題有りません。ただし決められたカロリー以内に収まるようにしましょう。
お菓子には、多くの脂質、糖質が含まれているため、通常の食品よりもカロリーが多い傾向にあります。
お菓子を食べ過ぎると、食事量を極端に減らさざるを得なくなってしまうので、量はほどほどに抑えておいた方が無難でしょう。ダイエット中は多くても一日100~150kcal程度に抑えておいた方が、ダイエットに挫折しにくくなります。
カロリー制限のコツ
最後に少しだけですが、カロリー制限のコツをご紹介していきます。
ポイントは3つです。
- 糖質やたんぱく質はカットしない
- 食物繊維を多めにする
- ジュースやお菓子はなるべく控える
カロリー制限のコツ①糖質を完全にカットしない
ダイエットで糖質をカットする人が多いですが、これもやりすぎはよくありません。
理想的な栄養バランスから見て、糖質量が多い人は量を減らす努力が必要ですが、必要摂取量以下にする必要はありません。
たしかに糖質を減らせば一時的に体重は落ちます。しかしこれは、糖質と結びついていた水分が減ったことによるところが大きく、本質的な脂肪を減らすダイエットになっていません。
糖質は食事における満足感、満腹感を高める効果があり、糖質をカットしすぎると食事量の物足りなさが強くなり、ダイエット挫折の原因となってしまいます。
必要最低限の量に抑えられている人は、それ以上糖質をカットしないほうが、健康的でリバウンドしない食生活を身に着けることができます。
カロリー制限のコツ②食物繊維を多めにする
2つ目のコツは食物繊維をたくさん食べるということです。食物繊維はダイエットにおいて多くのメリットがあります。カロリー制限においては、低カロリーであるため量を食べられるというメリットがあります。
また食物繊維をたくさん取ることにより腸内環境が改善し、その結果としてGLP-1やPYYといった満腹感を向上させるホルモンが分泌されやすくなり、間接的に満腹感を高める効果があります。
カロリー制限をしているからこそ、野菜やきのこ、海藻などをよく食べ、食事量をカバーするという意識が大切です。
カロリー制限のコツ③ジュースやお菓子はなるべく控える
お菓子については、目標カロリー以内であれば食べてもよいという話をしましたが、量を控えめにするに越したことはありません。量のわりにカロリーが高いという点はすでに解説しましたが、その他にも単糖類が非常に多いという点で、ダイエットにおいては足かせとなりやすい食べ物だからです。
単糖類が多いという点では、お菓子と同様ジュースの量も少なくした方がよいでしょう。
単糖類は、糖質の中でも結合が少ない部類の糖質であり、構造が単純で分解の手間がかからない分、素早く体に吸収されます。少量であっても急激に糖質が吸収されると、血糖値を安定させるためのホルモンインスリンが働きやすく、脂肪が蓄積しやすくなります。
インスリンが過剰に働いた場合は、血糖値が下がりすぎ、再び空腹感を感じてしまいます。
満腹にもなりやすいですが、逆にお腹も空きやすくなるということです。
ただでさカロリー制限中は空腹感が強いので、カロリーの多くをジュースやお菓子で摂取してしまうと、確実に空腹に耐えられなくなります。
本音を言うならダイエット中は、お菓子やジュースは完全にカットしたほうが良いですが、締め付けすぎてもダイエット中のストレスが高くなってしまいますので、最低限に抑えるという意識は持っておくようにしましょう。
カロリー制限をどのくらいすれば痩せる?-まとめ
いかがでしたか?
多かれ少なかれダイエットにおいては、必ずカロリー制限が必要になってきます。
10代をピークに基礎代謝は下がり続けていきます。一方で食事量は10代のころとあまり変わらないという人が多いのではないでしょうか。
健康的で美しい肉体を保つためには、基礎代謝量や運動量の変化に応じて、カロリー制限をするのは必須であり、ダイエットにおいては誰もが調整しなければいけない項目です。
これからダイエットする人、またはダイエットしているが一向に体重が減らないという人は、今回の記事をぜひ参考にしてみてください。