黒烏龍茶にダイエット効果はあるのかないのか徹底検証
黒烏龍茶はダイエットに効果のあるお茶として一時期非常に人気がありましたが、最近では「黒烏龍茶を飲んでるんだけど効果ない」という人もちらほらいます。
ということで今回は、黒烏龍茶にダイエット効果はあるのかないのか徹底検証していきます。
この記事では、
- 黒烏龍茶とは
- 黒烏龍茶のカロリーや成分
- 通常の烏龍茶との違い
- 黒烏龍茶の効果
- 黒烏龍茶の効果的な飲み方
- 黒烏龍茶を飲んでも効果がない原因
- 効果はいつからか?
- パック(ティーバッグ)の効果ある?
- 黒烏龍茶ハイでも効果ある?
という内容で黒烏龍茶の効果について詳しく網羅的にお伝えしていきます。
<この記事の参考>
黒烏龍茶とは
黒烏龍茶とは、サントリーから販売されている烏龍茶の一つです。昔から烏龍茶と言えば、サントリーの烏龍茶が非常に有名であり一般的ですが、それのダイエットや健康によいバージョンとして登場したのが黒烏龍茶なんですね。
特許庁に特定保健用食品(トクホ)として認定されているお茶ですね。
最近では居酒屋さんなどでも、黒烏龍茶の商品があり、中には黒烏龍茶を使用した黒烏龍茶ハイというお酒もあります。
黒烏龍茶のカロリーや成分
まずは黒烏龍茶のカロリーや成分を見ていきましょう。
※350ml
- カロリー:0kcal
- タンパク質:0g
- 脂質:0g
- 炭水化物:0g
- カフェイン:35mg
- カリウム:70mg
- リン:10mg未満(100ml)
カロリーや三大栄養素については、全てゼロになっています。ここは特に普通のお茶と変わりません。
黒烏龍茶と普通の烏龍茶は何が違う?
では黒烏龍茶と普通の烏龍茶は何が違うのでしょうか。
それは、ウーロン茶重合ポリフェノールの含有量。
通常の烏龍茶には、ウーロン茶重合ポリフェノールが30mgしか含まれていないのに対して、黒烏龍茶には、75mg含まれています。
黒烏龍茶が特定健康用食品(トクホ)として認められているのもこのウーロン茶重合ポリフェノールの働きによるものなのです。
黒烏龍茶の効果
それでは黒烏龍茶の効果(ウーロン茶重合ポリフェノールの効果)についてみていきます。
黒烏龍茶の効果は脂肪吸収阻害効果
黒烏龍茶の効能は非常にシンプルで、それは脂肪の吸収を抑えるというもの。
人間の身体は、食事から吸収した脂質をリパーゼという酵素によって分解して、身体に取り込んでいますが、黒烏龍茶のウーロン茶重合ポリフェノールは、このリパーゼの働きを阻害します。
黒烏龍茶を飲むと、リパーゼの働きが弱まるため、脂肪が分解・吸収されず、そのまま便として排せつされる割合が増えるということが起きるんですね。
どの程度脂肪の吸収を抑える効果があるのか?
では黒烏龍茶を飲むとどの程度脂肪の吸収を抑えられるのかという点についてです。
マウスを用いた実験においては、脂質だけを摂取したマウスと脂質とウーロン茶重合ポリフェノールを同時に投与したマウスの血中の脂肪の量を測定しています。
その結果、脂質を摂取してからおよそ2時間後に効果があらわれ始め、最終的には20%の脂質吸収を抑えることができました。
黒烏龍茶に含まれるウーロン茶重合ポリフェノールは確かに脂質の吸収抑制に効果があるということです。
ダイエット以外にも嬉しい効果
これは黒烏龍茶に限らずですが、烏龍茶は脂質を制限する以外にも健康によい様々な効果が得られます。
- 美肌効果
- 虫歯予防
烏龍茶の美肌効果
烏龍茶には紫外線で引き起こされるメラニン色素の沈着を防ぐ効果が期待できると言われています。シミの予防になるということですね。
烏龍茶の虫歯・口臭予防効果
烏龍茶に含まれるカフェインには、歯周病の原因菌を減少させる効果があります。また歯周病への効果と合わせて口臭の原因成分「メチルメルカプタン」の数値が大きく下がることも分かっています。
黒烏龍茶の効果的な飲み方
黒烏龍茶のダイエット効果を高めるためのポイントは、3つです。
- 食事中に飲む
- 一日2本(350ml×2)を目安にする
- 高脂質の食事と一緒に飲む
黒烏龍茶の効果的な飲み方①食事中に飲む
まず一つ目のポイントは黒烏龍茶を飲むタイミングについてです。黒烏龍茶を飲む最適なタイミングは「食事中」です。黒烏龍茶の効果を検証した実験では、食事と同時に摂取することで効果が得られています。他の特定保健用食品では、食前や食後をベストなタイミングとしていることもありますが、黒烏龍茶は食事中に飲むというのがポイントになっています。
黒烏龍茶の効果的な飲み方②一日2本を目安にする
2つ目のポイントは、黒烏龍茶を飲む量です。黒烏龍茶のダイエット効果を明らかにした実験では、一日2本(350ml×2)の摂取によって脂肪減少効果、体脂肪の減少が認められています。
黒烏龍茶の効果を実験を検証した実験では、ウーロン茶重合ポリフェノールの量が多いほど、効果が高まるということが分かっています。量についてはしっかりと守るようにしましょう。
黒烏龍茶の効果的な飲み方③高脂質の食事と一緒に飲む
3つの目のポイントは、高脂質の食事と一緒に飲むということです。再三申し上げている通り、黒烏龍茶の効果は脂質吸収を抑制する効果ですので、脂質の多い食事と一緒に飲まないとあまり効果を発揮しません。
- 外食
- 乳製品を使った料理
- 肉の多い料理(焼き肉など)
- ナッツ類を使った料理・お菓子
- アボカドを使った料理
などは脂質量が多くなっているので、より効果を発揮するでしょう。
ラーメンなどでも脂質量の多い種類のものは効果が期待できます。
黒烏龍茶には効果がない!という人もいる
実験では、確かに脂質の吸収に対して効果があることが分かっていますが、巷では、黒烏龍茶を飲んでいるのに全然効果がないという人もいます。これはいったいどういうことなのでしょうか。
黒烏龍茶に効果がない原因は次の6つが考えられます。
- 炭水化物(糖質)をたくさん摂取している
- 黒烏龍茶を飲んでいるが食べ過ぎてもいる
- そもそも脂質の多い食事をしてない
- 食事中に飲んでいない
- 飲む量が足りない
- 毎日・毎回飲んでいない
黒烏龍茶に効果がない原因①炭水化物をたくさん摂取している
黒烏龍茶に効果がない一つ目の原因は、炭水化物(糖質)をたくさん摂取しているという点です。
解説した通り、黒烏龍茶は脂質の吸収を抑えるものであり、糖質の吸収については作用しません。ダイエットに効果的な様々なお茶の商品が販売されていますが、その中には糖と脂質の吸収を抑える効果のあるものもあります。しかし黒烏龍茶には糖の吸収を抑制する効果はありません。他のお茶の効果と混同し、糖の吸収にも効果があると思っている人がかなり多いと思います。
黒烏龍茶は「食べても太らないお茶」というざっくりとした認識のまま食事を食べてしまうと、普通に食事を摂取しているのと変わらず、食事量に比例して太るということになります。
黒烏龍茶に効果がない原因②食べ過ぎている
黒烏龍茶に効果がない2つ目の原因は、食べ過ぎです。黒烏龍茶を飲んでいるからと言って、食べ過ぎていると当然効果がないばかりか太ってしまいます。
黒烏龍茶の脂質吸収抑制効果は20%。日本人の平均脂質摂取量はおよそ60gであることから考えると、理論的には、脂質に関しては、100kcal程度抑えることが可能です(毎食きちんと飲んだ場合)。
しかし100kcal程度というと、およそ唐揚げ1.5個分。黒烏龍茶を飲んでいるから唐揚げ一個余分に食べようとすると、その時点で黒烏龍茶を飲んでいる効果はほぼ帳消しとなってしまいます。黒烏龍茶を飲んでいるから大丈夫と少しでも食べ過ぎると、ほとんど黒烏龍茶の効果はなくなってしまうということです。
黒烏龍茶に効果がない原因③そもそも脂質の多い食事をしていない
黒烏龍茶に効果がない3つ目の原因は、そもそも脂質の摂取量が少ないために、飲んでも効果がないということです。黒烏龍茶には食事全体のカロリーを抑える効果はなく、脂質ピンポイントです。仮に一日の脂質摂取量が平均値の半分程度であった場合、一日に制限できるカロリーは、50kcal程度。1年以上一度も欠かさずに飲んだ場合は、数キロ痩せることがあるかもしれませんが、1週間~1ヶ月程度の継続では、あまり効果が感じられないかもしれません。
黒烏龍茶に効果がない原因④食事中に飲んでいない
黒烏龍茶で効果がない4つ目の原因は、食事中に黒烏龍茶を飲んでいないということです。黒烏龍茶の脂質吸収抑制効果は、食事と同時に摂取した場合の効果です。つまり食事時間以外で日常的に黒烏龍茶を飲んでいても効果がないということになります。
普段から黒烏龍茶を飲んでいるという人でも、肝心の食事中に飲んでいない場合は、まったく効果がないということになります。食後などちょっとずれた時間に黒烏龍茶を飲んでいる人も気を付けたほうがよいかもしれません。
黒烏龍茶に効果がない原因⑤飲む量が足りない
黒烏龍茶の効果を検証した実験では、ウーロン茶重合ポリフェノールの量が多いほど、効果が高まるということが分かっています。逆に言うと量が足りていない場合は、その分効果もなくなります。一食につき350ml、1日350ml×2本を目安にしましょう。
黒烏龍茶に効果がない原因⑥毎日毎回飲んでない
黒烏龍茶の効果は体質改善などによる長期的な効果ではなく、毎回の食事に対する効果です。体質がだんだん改善して太りにくくなるという効果ではないということです。
つまり黒烏龍茶を飲んだり飲まなかったりするとあまり効果は感じられないでしょう。
「黒烏龍茶で痩せる」と決めたなら、毎日・毎食脂質の多い食事には必ず飲むという習慣を付けなければ効果は見えてきません。
黒烏龍茶の効果はいつから?
黒烏龍茶の腹部脂肪面積(腹部CT画像)に対する効果を検証した実験では、開始直後から効果があらわれ始め、
- 8週間:-5㎠
- 12週間:-7㎠
- 16週間:-10㎠
という効果が得られています。
黒烏龍茶を飲み始めてから最低でも8週間(約2ヶ月)以上の継続は必要になってきそうです。
体重的には、毎食20%の脂肪吸収が抑えられたとすると、理論的には、
- 1週間:0.1kg
- 2週間:0.2kg
- 4週間(1ヶ月):0.5kg
- 8週間(2ヶ月):0.7~1kg
- 3ヶ月:1~1.5kg
- 半年:2.5~3kg
程度の減量効果が期待できるでしょう。
黒烏龍茶に副作用はある?
一部体質によってお腹を下したなどの副作用を訴える人がいますが、内閣府の食品安全委員会は、「適量(一日700ml程度)であれば、健康的には問題がない」という見解を出しています。烏龍茶特有のポリフェノールの摂取量については特に上限がありません。
ただし烏龍茶はカフェインを含んでいることに注意。
黒烏龍茶には、350mlあたり約35mgのカフェインがふくまれています。極端な例ですが、黒烏龍茶を3リットル以上飲むと、カフェインの摂取上限を超えてしまう可能性が出てきます。
特に持病がある人、妊娠中の人、授乳中の人は、飲み過ぎに注意しましょう。
一応摂取量には上限があるということを覚えておきましょう。
パックの黒烏龍茶でも効果ある?
もちろんパックの黒烏龍茶でも効果はあります。
パックのもので自分で黒烏龍茶を作る場合は、抽出温度に気を付けましょう。一般的にお茶に含まれるポリフェノールの量が増えるのは、60度以上と言われているので、最低でも60度以上のお湯で抽出するようにすれば、ポリフェノールのダイエット効果が得られます。温度が高いほど、抽出量が増えるというのが大方の見解なので、味にこだわらずポリフェノール摂取量を多くしたい方は、沸騰したお湯で抽出するとよいです。
水出しの烏龍茶ではポリフェノールが抽出されないので注意しましょう。
黒烏龍茶ハイでも効果はある?
基本的にアルコール飲料でも、黒烏龍茶が含まれている場合は、通常の黒烏龍茶と同様の効果が期待できると思われます。ただアルコールは、肝臓の脂質代謝を阻害するという観点からすれば、他のお酒を飲むよりは効果があるが、黒烏龍茶本来の効果はかなり抑制されてしまうということが言えるでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
黒烏龍茶には確かなダイエット効果がありますが、糖質の抑制に効果はなく、脂質の吸収を抑える効果のみ。効果を勘違いしたり、黒烏龍茶を飲んでいるから大丈夫と食べ過ぎると、逆に太ってしまうことになります。
効果を得るためには、毎日・毎食の摂取を徹底し、一日350ml×2の量を守るようにしましょう。2ヶ月以上継続できれば、見た目にも効果があらわれてくるはずです。
ダイエットのために、黒烏龍茶を飲んでいるが効果がない、またはこれから黒烏龍茶を飲んで痩せようと考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。