朝食抜きダイエットは間違うと太る。正しいやり方を解説
朝食抜きダイエットは簡単そうだしやってみようかなーと考えている人は意外とたくさんいます。
三食の中で最も制限するのが簡単ですし、意識せずとも朝食を抜いてしまう人もいますよね。
しかしこれって本当にダイエットに効果的なのでしょうか。
朝食を抜くと太りやすくなるという専門家もいます。実際にはどうなんだろう、真実を知りたい!と思っている人も多いので、今回は、朝食抜きダイエットって本当に効果があるのか、あるとすればやり方を教えてほしい!という人のために記事を起こしました。
この記事では、
- 朝食抜きダイエットとは
- 朝食を抜くと身体はどうなる?
- 朝食抜きダイエットの具体的なやり方
という内容で簡単に分かりやすく解説していきます。
主な参考
朝食抜きダイエットとは
朝食抜きダイエットとは、「朝食を食べないダイエット」というシンプルな定義が一般的ですが、世の中にある朝食抜きダイエットには、
- 朝食で炭水化物を食べないダイエット
- 朝食で固形物を食べないダイエット
など、実は様々な朝食抜きダイエットが存在します。
同じ朝食抜きダイエットでもやり方が全く異なり、身体に対する影響はかなり変わってきます。
正しい朝食抜きダイエットを知らないで実践するとダイエットどころか、逆に太りやすい体質に変わってしまう可能性もあるので十分に注意しましょう。
「朝食抜き」はなぜダイエット効果があると言われている?
朝食抜きダイエットになぜ効果がある言われているのか、というのが重要なポイントです。単に一日のカロリー摂取量が減るからということもありますが、それ以外にも意味があります。
空腹の状態を長くして脂肪燃焼時間を長くする
朝食を抜くことによって、前日の夕食から15~17時間何も食べないという状態になります。人間の身体は空腹の状態が続いている間は、常に脂肪をエネルギーとして使い続けています。
朝食抜きダイエットは、この脂肪燃焼時間を可能な限り長くして、脂肪をため込まず、常に脂肪を消費し続ける状態を作ることができることから、ダイエットに効果があると言われているんです。
ですから朝食抜きダイエットを実践する場合は、運動や過度な食事制限をする必要がないと言われています。
朝食を抜くと身体にはよくない?
しかし、単に朝食を抜くという字面だけをうのみにしてはいけません。
一般的に朝食抜きダイエットとして認識されている「朝何も食べない」ダイエットを実践した場合、身体にはどのような影響があるのでしょうか。
実は少なくとも3つの観点から、朝食に何も食べないということは、身体に悪影響を与えます。
- 昼食・夕食で血糖値の急上昇が起こり脂肪が増えやすくなる
- 体内時計がずれて日中にカロリーを消費しにくくなる
- 昼食・夕食の過食を引き起こす
あれ?悪影響がかなり多いんだけど、いったいどういうこと?と思った方も、とりあえず「完全に何も食べない」場合の影響を確認しておきましょう。
朝食抜きダイエットにおいては、これらを必ず知っておく必要があります。
朝食を抜くと起こること①昼・夜の食事で血糖値が急上昇する
朝食を完全に抜くと、それ以降に取った食事によって血糖値が急上昇することが分かっています。
血糖値が急上昇すると、血糖値を下げるためにインシュリンが大量分泌されます。人の身体はインシュリンが分泌された状態で栄養を取り込む働きが起こるため、食べ物の脂肪や糖質が脂肪に変わりやすくなります。
逆に朝のうちに一度血糖値を上昇を経験していると、昼食や夕食時の血糖値の上昇は緩やかになり、糖や脂質が脂肪に変わりにくいということが分かっています。
朝食を抜くと起こること②体内時計がずれて日中にカロリーを消費しづらくなる
人間の身体は2つの要素で体内時計を調整しています。一つは日光を浴びることによって脳の時計を調整しています。もう一つは、食事をとることによって臓器の体内時計を調整しています。
人間の身体は24.5時間周期で動いているため、脳と臓器の体内時計を日光と朝食によって調整しなければ、体調不良や病気を引き起こしやすくなります。
またカロリーを消費すべき日中帯にうまくカロリーを消費できず、常にだるさが伴ったり、最大限のパフォーマンスを発揮できない状態が続いてしまうのです。
朝食を抜くと起こること③昼食・夕食の過食を引き起こす
朝食を抜くと、昼食・夕食において過食を引き起こす可能性が高くなります。何も食べないのですから当然ですね。
人間の身体は朝から昼にかけて最もカロリーを消費しやすく、夕方から夜にかけて徐々にカロリーを消費せずに脂肪を蓄積する働きが強くなります。
同じカロリーを摂取していても、朝食で食べるのと昼食や夕食で食べるのとでは、エネルギーとして消費される割合が変わってくるということです。
朝食を抜き、昼と夜にたくさんのカロリーを摂取している場合、ダイエットにおいては非常に非効率な食生活をとっているということになります。
ということで、少なくとも以上3つの観点からは、朝食に何も食べないということは、ダイエットにおいて悪影響があるということがお分かりいただけたかと思います。
お医者さんで朝食抜きダイエットを推奨している人がいるのはなぜ?
解説した3つの観点では、朝食を抜くことはダイエットに良い影響がないにも関わらず、実際に「朝食抜きダイエット」を推奨しているお医者さんもいます。
最新のダイエット情報を提供することが多い金スマなどでも、朝食抜きダイエットが紹介されたことがありますが、この矛盾はいったい何でしょうか。
実はお医者さんが推奨している朝食抜きダイエットは「完全に何も食べない」という意味ではありません。
このあたりを早とちりしている人がかなり多いため、
朝食抜きダイエット=朝食に何もたべない
と認識している人が多いのです。
ネーミングの問題もかなりあると思われます。
お医者さんが推奨している朝食抜きダイエットとは
(画像はイメージで江部先生ではありません)
朝に食べないダイエットを推奨している江部康二先生は、朝食抜きダイエットに関連した著書が金スマでも紹介され、朝食抜きダイエットの第一人者と世間的に認識されています。
しかし厳密にいうと江部先生は完全に何も食べていないわけではなく「朝にコーヒー一杯と生クリームを食べるだけ(ウィンナーコーヒー)」ということを言われているんです。
つまり生クリームを食べることによって、朝に血糖値を上昇させたり、体内時計を調整する作業を行っているということなんですね。
ですから、お医者さんが推奨している朝食抜きダイエットは、「完全に何も食べないダイエット」ではないわけです。
朝にコーヒーで内臓を温め、生クリームによって血糖値を上昇させているため、先に解説した朝食を抜いたことによるダイエットへの悪影響を避けているんです。
朝食抜きダイエットの具体的なやり方
それではここから朝食抜きダイエットの具体的なやり方を解説していきます。先ほども言った通り、完全に何も食べないわけではないので注意しましょう。
朝食抜きダイエットのやり方のポイントは4つです。
- 朝は温かい飲み物で内臓を温める
- 少しでいいので血糖値をあげるものを飲む
- 昼食は何を食べても構わない
- 夕食は副菜系を中心に糖質制限をする
朝食抜きダイエットのやり方①温かい飲み物で内臓をあたためる
1つ目のポイントは、温かい飲み物で内臓を温めるということです。朝一番に温かい飲み物を飲むことによって、内蔵に刺激を与えて、活動開始をうながします。内臓の活動を促すことによって、睡眠時間に下がっていた基礎代謝をあげて、エネルギーを消費しやすい状態を作り出します。
江部先生はコーヒーを飲んでいるということですが、これはお白湯でも構いません。
とにかく暖かくて身体を温めてくれるものを飲みましょう。
朝食抜きダイエットのやり方②血糖値をあげるものを飲む
やり方の2つ目は、血糖値をあげるものを飲むということですね。江部先生の場合は、生クリームです。
生クリームと聞くと、かなりカロリーをとっているんだなぁと思ってしまいますが、実はそれほどカロリーがありません。コーヒーに入れる生クリームは40~50g程度。
- カロリー:170kcal程度
- タンパク質:0.8g
- 脂質:18g
- 炭水化物:1.24g(糖質1.24g)
実は生クリームのカロリーのほとんどは脂質によるもので、糖質はほぼ入っていないに等しいですね。
江部先生と同じぐらいの糖質量を摂取するためには、オレンジジュースなら、少なめに一口程度摂取すればいいということになります。
しかしこの少量の糖質が昼食と夕食の血糖値の爆増を抑えてくれるのでかなり重要です。
朝食抜きダイエットのやり方③昼食は何を食べても構わない
朝は少し気をつけなければいけませんが、昼食は基本的に何を食べても構いません。ラーメン・カレーなど比較的カロリーの高いものでも大丈夫。昼食で摂取したものはエネルギーとして消費される割合が高いので、神経質にならなくてもよいですね。
ただダイエット中ということを考えれば、400~500kcalの間に収めるぐらいは心がけたほうが良いかもしれません。
朝食抜きダイエットのやり方④夜は副菜中心で糖質制限をする
朝食抜きダイエットは、朝食を抜くだけのダイエットと思われがちですが、実はそうではありません。実践者の江部先生はしっかりと糖質制限を行っています。
糖質制限は夕食に行います。昼は食べてもいい分、夜はしっかりセーブしようということですね。
とは言っても、炭水化物(糖質)を避けるだけで、あとは何を食べても構いません。
夕食は可能な限り早い時間に済ませて、夜から次の日の朝・昼にかけてしっかり脂肪を燃焼できる状態を作りましょう。
朝食抜きダイエットの結果はいつ感じられる?
今回解説した内容をしっかり実践すれば、1週間で2キロ程度の減量もかなり現実的な数字です。
まずは1週間実験と思ってやってみることをおすすめします。1週間の検証の結果、過度にお腹が空いたり、体調が悪いと感じることがないという人は、その後も継続的に実践することをおすすめします。
血糖値的にも、食事のバランス的にも健康面では全く問題ないダイエットなので、習慣として身に着けてしまいましょう。
朝食と昼食、両方抜けばさらにダイエット効果があるのでは?
ここまでの解説を読んで、朝食と合わせて昼食も抜いてしまえば、もっとダイエット効果があるのでは?と思った人も多いかもしれません。
しかし、結論を言えば、朝食・昼食抜きダイエットはおすすめできません。その理由は継続が難しいという点と、夕食時にかなりの量を食べてしまう可能性が高くなるからです。つまり挫折のリスクが高くリバウンド街道まっしぐらになる人もでてきます。
朝食抜きと夕食時の糖質制限だけでも十分に効果が期待できますので、昼食まで抜く必要はありません。
豊かな食生活をしっかり維持しながらダイエットに取り組むのがリバウンド防止の秘訣です。
朝食抜きダイエットで痩せない人は
朝食抜きダイエットをやっても痩せない人は、以下2つの観点をチェックしてみましょう。
- 本当に何も飲まず食わずの人は痩せにくい
- 夕食たくさん食べている人は痩せにくい
朝食抜きダイエットで痩せないと感じている人は、ほぼ100%の人が上記のどちらかに該当しているはずです。
今回の解説を参考に朝食抜きダイエットのやり方を修正してみましょう。
朝ごはんを抜くだけでも効果ある?
これまでしっかりと朝食をとってきた人は、朝食を抜くのはちょっと辛いなーと感じるかもしれません。
そういう人は、主食系(ごはんやパン)を抜くだけでも効果があります。今回解説した内容をそのまますぐに実践する必要はありません。
ごはんを抜く際は、おかず系やサイドメニューにしっかりと血糖値をあげてくれるものが入っているか確認しましょう。主食を抜くと、糖質が全くないという人は、果物をひとかけ食べるなどすれば、ちょうどよい分量になります。
朝食抜きダイエットは効果があるが適さない人もいる
今回の解説をしっかりすればダイエット効果を感じることができると思いますが、朝食抜きダイエットが適さない人も少なからずいます。
基本デスクワークという人は問題ないかもしれませんが、朝から身体をしっかりと動かすような仕事の人は、あまり適しません。また未成年の方(特に小中高生)にもお勧めできません。
朝にカロリーが足りないことによって、めまいが起こるなど、逆に体調不良を引き起こす可能性もあります。
ある意味ではリスクの大きいダイエットの一つでもあるので、自分の生活への影響をしっかりと見極めて取り組む必要があります。
朝食抜きダイエットまとめ
いかがだったでしょうか。
内容が少し複雑になってしまったので最後におさらい。
- 朝食抜きダイエットは脂肪燃焼時間を多くするから効果がある
- 朝食抜きダイエットは朝「何も食べないダイエット」ではない
- 朝に身体をあたため、少量の糖質を摂取する
- 昼は何を食べてもOK
- 夜は糖質を制限する
- 適さない人もいるのでしっかり見極めよう
朝食抜きダイエットは間違ったやり方をすると太ったり、適さない人がやると体調不良になるリスクのあるダイエット方法です。
しかし1週間実験してみた結果、体調に問題がなければ非常に続けやすいダイエット方法です。
痩せない原因はもしかして朝食かも!?と思っている人はぜひトライしてみてください。
朝食抜きダイエットとは全く逆のアプローチで、夕食抜きでダイエットする方法もあります。朝食抜きダイエットよりは難易度が高いですが、リスクが少ないダイエット方法なので、興味のある方はこちらの記事もご覧ください↓